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ID 10995
登録日 2009年 3月24日
タイトル
台湾・先住民族:共に生きる/1 伝統の倒木拾いで有罪
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/select/world/news/20090324dde007030039000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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台湾北部・新竹県の深い山中にある尖石郷司馬庫斯(しばこし)地区。ヒノキの巨木群が重要な観光資源となっており、先住民族、タイヤル族の住民が作った木彫りの像が、人口約200人の小さな集落のあち こちに飾られている。05年9月、台風による土砂崩れで、直径60センチほどのケヤキがなぎ倒されたことから事件は起きた。
 「なぜ、私たちが泥棒にされなければいけないんだ」。この集落のアミン・ヨショさん(37)は、怒りをあらわにした。道端に転がっていたケヤキを、アミンさんら3人は集落の会議の決定を受けて持ち帰ろうとした。彫刻 が施された標識など集落の公共財に利用するためだった。倒木は天が与えてくれた恵み。それを有効に活用することは、司馬庫斯の伝統だった。
 だが、法律の壁が先住民族の伝統の前に立ちはだかった。ケヤキは林務局(林野庁)の所有林の中にあり、森林法では倒木でも林務局の所有物となると規定している。アミンさんらは森林窃盗罪で起訴され、1審の新 竹地裁は07年4月、懲役6月、執行猶予2年、罰金各16万台湾ドル(約43万円)を言い渡した。2審も一部減刑されたものの、有罪だった。
 こうした事例は各地で後を絶たず、林務局も特例を認めれば所有林の管理に支障をきたすため、強硬な姿勢を崩していない。
 一方、集落の指導者、イチェ・スルンさん(68)は「元々、この森はタイヤル族の伝統的な領域だった。そこに『国有林』が設定され、木が次々に伐採されるのを見てきた」と主張する。
 集落の人々はこの森を「台湾北部のダム」と呼ぶ。その言葉には、台北市など大都市の水源を自分たちが守ってきたとの自負が込められている。2審までの判決で先住民族の自然観や生存権、伝統が否定されたと受け 取ったアミンさんらは、最高裁がどのような判断を下すのか行方を見守っている。
   *  *  台湾では近年、先住民族の権利の拡充が進み、多数を占める漢民族との共生が進むが、その過程で新たな問題も生じている。先住民族の居住地で現状を探った。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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