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ID 101
登録日 2006年 10月 9日
タイトル
木の医者”新たな芽吹き──瀕死状態、半年かけ治療/NPOで古木守る
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新聞名
日経ネット関西版
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/kansai/women/35969.html
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元urltop:
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写真:
 
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女性の樹木医の活躍が目立ってきた。造園業者など男性が圧倒的に多く、依頼者からは「女性には務まらない」とレッテルをはられ苦汁を味わうことも。しかし女性ならではのしなやかな感性で根の先から枝葉 まで樹木と向かい合う“木のお医者さん”の仕事ぶりは緑の世界に新たな息吹を吹き込んでいる。
 京都府宮津市にまたがる日本三景の1つ天橋立。2004年10月、西日本を襲った台風23号はこの風光明媚(めいび)な白砂青松に大きなつめ跡を残した。「根の張り方が弱すぎる。砂が生育に適していない」。なぎ倒さ れた190本の松を前に樹木医、寺内桂子さん(44)はがくぜんとした。
 寺内さんは京都大農学部で造園学を学び、約7年の実務経験を積んで99年、樹木医の資格を取得。昨年、造園会社から独立し自治体や個人から舞い込む倒木危険度調査や衰弱した木の治療などにあたっている。
●半年後に芽吹く  天橋立には独断で10日後に現地入り。府からの依頼を受けた府樹木医会のメンバーの中では、唯一の女性として樹齢200年以上が主な松の診断に駆けずり回り、対策に知恵を絞った。
 養分の乏しい砂地を好む松は根に繁殖する共生菌から養分をもらう。だが、60年代以降、大量の山土を盛り込んだため土が肥えすぎて共生菌が減少。「養分摂取がうまくできなくなり根の腐食が進み、枯れ枝も増えた」( 樹木医会)。
 寺内さんらは調査後、地中に空気を送り込み土壌の質を改善するほか、共生菌が生まれやすいよう一部の根を切ることなどを府に提案した。「和歌にも詠まれるほど文化的価値が高かった名松をいつか再現したい」と 希望を込める。
 幹をたたいて内部の腐食を確かめる“聴診器”の木づちや、土の硬さを調べる土壌硬度計など10点が入った「往診バッグ」が商売道具。時にははしごを使ってスルスル。150センチと体格は小柄だが、どんな巨木にも へばりつく。
 今年9月、樹木医冥利(みょうり)に尽きる出来事があった。京都市の個人宅の庭に根を張るモミジ。半年前には根元から根先まで瀕死(ひんし)の状態で水を通さなかった。枯れ枝も目立ち幹内は腐りかけていた。「朽ち 果てるのは時間の問題。急がなければ」  根を掘り返し、薬剤を塗って土を入れ替えた。だが、なかなか芽を出さない。「治療法は間違いだったのか」。依頼者の顔を見るのがつらく、不安にさいなまれる日が続いたが6カ月後ようやく芽吹くのを確認した。
 「もの言わぬ木の悲鳴に真摯(しんし)に耳を傾け対話する姿勢が大切」と寺内さん。根をどこまで切るのか切らないのか。土の状態はやせているのか肥えすぎているのか。五感を駆使して木の病状を分析し、時には 荒治療に臨む。
 樹木医歴3年の高木邦江さん(33)は緑化資材の会社に勤務するかたわら、大阪府内の樹齢100年以上の古木を保護する非営利組織(NPO)「樹木と緑の診断協会」で中心メンバーとして活動している。
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このページの公開日は1999年11月11日。最新更新日はです。

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