ID 10465
登録日 2009年 2月12日
タイトル
花粉症でかゆい目 洗いすぎは逆効果
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/living/health/CK2009021302000057.html
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元urltop:
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写真:
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スギ花粉が舞う花粉症の季節が始まった。目のかゆみや充血に悩まされる人も多いだろう。だが耳鼻科に比べ、眼科にかかる患者は少ないという。目のケアの注意点をまとめてみた。 (鈴木久美子)
「かゆみを抑える目薬をください」
道玄坂糸井眼科医院(東京都渋谷区)には先月の最終週から、花粉症の症状を訴える患者が訪れるようになった。
花粉が目や鼻の粘膜に入ると、目にかゆみや充血、涙目、まぶたのむくみといった症状が出る。
「まぶたの裏側にぶつぶつができているのに気づかず、目をこすって視力に影響を与えたり、医師の診察を受けずに勝手なケアをして、トラブルを起こすこともある」。日本コンタクトレンズ学会常任理事でもある糸井
素純院長(49)は、目にも適切なケアが大切と指摘する。
実際は、花粉症で眼科を受診する患者は少ない。医療関連企業ジョンソン・エンド・ジョンソンが、コンタクトレンズ利用者で花粉症の症状を訴える二十-三十代の六百人に昨年末実施したアンケート結果によると、通
院先は「耳鼻科」51%に対し、「眼科」は18%にとどまった。
この調査で、花粉飛散時に自分で行う「目の対処法」として、64%が「目を洗う」と回答した。だが、これがトラブルのもとになる可能性がある。
「洗いすぎると、目を保護している物質まで洗い流され、目に傷がつく。傷が増えると、灼熱(しゃくねつ)感をもったり、粘膜が弱くなって花粉症の症状が出やすくなる」と糸井院長は言う。
洗眼剤に入っている防腐剤が、目に刺激を与えることもある。恒常的に洗うより花粉が入ったと感じたときだけ、防腐剤の入っていない刺激の少ない目薬をさすなどして流す方がいい。「洗眼剤でなくても、目薬で十分
対処できる」。
コンタクトレンズ使用者も注意が必要だ。めやにや花粉がレンズを汚し、症状を悪化させる原因にもなる。本来は眼鏡に替えるのが望ましい。だが同調査では、97%がコンタクトレンズを継続使用していた。
「どうしても使用するのならハードレンズは、洗浄専用液でしっかりこすり洗いし花粉をおとす。ソフトレンズは、一日使い捨てタイプを使用し、かゆくなったらすぐ取り換える」
受診の際はコンタクトレンズ使用の有無や、使用薬剤などを医師に伝えることも大事だ。
花粉症用目薬の市販薬は、通常ソフトレンズ使用時には使用できない。レンズが目薬の成分を吸着するなどして、目に影響を及ぼす危険があるからだ。今年発売され、効きの強さをうたった目薬は、従来の抗ヒスタミ
ン成分と抗アレルギー成分に加え、抗炎症成分が入っているのが強さの理由という。ただこの目薬は双方のレンズとも使用時は使えない。
「コンタクトユーザーは、レンズを外して点眼し、五-十分あけてから、レンズを装着してほしい」とロート製薬広報調査室の岩村正子さんは呼びかけている。
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