ID 789
登録日 2006年 4月14日
タイトル
熊野古道を守れ ウの糞害で対策協議 銃器使用も視野 和歌山森林管理署
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/DAILY/20060415/20060415_002.html
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元urltop:
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写真:
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世界遺産、熊野古道・高野坂が通る、新宮市の御手洗(みたらい)国有林=約5ヘクタール=の一部が、群れですみ着いたウの糞(ふん)で樹木が白く覆われている問題で、林野庁和歌山森林管理署(田辺市)
は13日、新宮市内で対策の検討会を開いた。放置すれば枯死し、古道にも影響が出ることから、野鳥専門家の指導で銃器使用も視野に入れた対策に乗り出すことを決めた。また、樹木の生育を阻害する竹林の整備も同
時に進めることにした。
諮問機関「世界遺産に係る森林整備検討委員会」(委員長=中嶌章和・新宮市文化財審議会委員長)の9人が出席。同署の木村崇人流域管理調整官から報告を受け、対策を協議した。
木村調整官は「昨年11月に群れを確認した。約0・2ヘクタールの広さで樹木や雑草が糞で白く覆われ、悪臭も漂う。今月はまだ数羽しか見ていないが実態は分からない」と現状を説明。「居付く前に追い払うなどの早期
対応が重要で、最も効果的なのは銃器使用と聞いている。専門家の指導が必要」と報告した。
委員から「ほかの被害地の対策を聞いては」「有害鳥獣の対象か」という質問や「熊野川が近く、漁業に影響する可能性もあり対策を急ごう」などの意見が出た。
竹林対策は昨年に続き、伐採で間引くことで一致した。さらに今月25日に「蘇(よみがえ)る高野坂~タケノコ掘って古道整備」と銘打ち、一般の希望者に楽しみながら竹の本数調整に協力してもらうことも決めた。
竹は国有林と民有林にまたがって生え、国有林内だけでも約0・5ヘクタールに密集している。ほとんどがモウソウチクで、日光を遮られて立ち枯れしたクスノキなどの樹木が目立つようになった。署は昨年、ボランティ
アを募り、500本を伐採した。今年も6月ごろに実施する予定。
鶴田和男署長は「竹、ウとも、対策を取るには委員や多くの人の協力が不可欠。一時的なものでなく継続していかなければいけない」と話した。
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