ID 8739
登録日 2008年 9月10日
タイトル
思い複雑 駒の湯経営者、市のプレゼント当選
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2008/09/20080910t13021.htm
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元urltop:
-リンク切れ-
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写真:
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市民からの公募で「市の花」と「市の木」を決めた宮城県栗原市が応募者にプレゼントを贈る抽選会で、当選者の1人に岩手・宮城内陸地震で被災、家族らが亡くなった同市栗駒の旅館「駒の湯温泉」の経営者
菅原孝さん(86)が選ばれた。入院先から応募したという菅原さんは「地震当日に下書きを書いていた。生き延びられたので…」と応募の理由を語った。
市は6月1―30日、花と木の候補を市民から募集。決定した花、木を寄せた市民からそれぞれ5人、計10人に抽選で温泉施設の宿泊券をプレゼントする予定だった。
花はニッコウキスゲ、木はヤマボウシに決まり、それぞれ76件、73件の応募があった。菅原さんは木のヤマボウシを推していた。
6月14日に発生した地震では、温泉施設も被災して休業中。プレゼントは地元産牛肉「新生漢方牛」に変更されたが、抽選会は今月8日、市職員立ち会いの下で佐藤勇市長が応募者の番号が書かれたくじを引いた。
当選を知り、「地震当日に応募しようと下書きを書いたが、土石流に流されてしまった。入院中、心が落ち着いたころにふと、応募のことを思い出した」と菅原さん。締め切り日に投函(とうかん)したという。
ヤマボウシを推した理由は「栗原の平地や山で見られ、生活に密着している」と説明。農作業の道具などにも使われ、「農山村では誰でも知っているから」と話した。
地震から3カ月近くがたち、ショックからはだいぶ立ち直ったという。「当選はありがたい」としながらも、菅原さんは「でも、温泉復興の見通しは今のところ全く立っていない」と声を落とした。
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