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ID 8736
登録日 2008年 9月10日
タイトル
森林総合研究所、針葉樹完全長cDNAの大規模収集に成功
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新聞名
日経プレスリリース
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元URL.
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID =199336&lindID =5
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元urltop:
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写真:
 
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針葉樹完全長cDNAの大規模収集に世界で初めて成功  森林総合研究所は、理化学研究所と共同で、スギ雄花から約2万個の完全長cDNAを単離し、10,463種類の完全長cDNAを同定しました。完全長cDNAの大規模収集は、針葉樹では世界で初めてで、樹木ではポプ ラに次ぐものです。スギ雄花から収集した完全長cDNAの情報は、未知のスギ花粉アレルゲンの発見につながるだけでなく、針葉樹での新たな遺伝子の探索に役立ち、今後のスギ花粉症対策や新たなスギ品種の開発 につながることが期待されます。収集した塩基配列情報は、森林総合研究所の森林生物遺伝子データベース(ForestGen; http://forestgen.ffpri.affrc.go.jp/ja/index.html )を通じて誰でも自由に利用することができ ます。
 なお、本研究の成果は、森林総合研究所の交付金プロジェクト「ポプラ等樹木の完全長cDNA塩基配列情報の充実(2006~2008年度)」によるものです。
【背景】  スギ花粉症は我が国の大きな社会問題の一つになっています。林業分野におけるスギ花粉症対策の基本は、花粉発生源を減少させることです。そのため、森林総合研究所は、都市部に影響を及ぼす花粉発生源の特 定、薬剤や森林管理による抑制技術の開発、花粉の少ない品種の選抜、雄性不稔(無花粉)スギを利用した新品種の作出、花粉アレルゲン1)の少ないスギの開発等に取り組んできました。
 今後、遺伝子組換え技術を用いた花成制御技術や花粉形成抑制技術の開発、新品種作出の選抜効率を高めるためのDNAマーカー2)開発等の研究を推進して行く上で、雄花や花粉の発達過程で働く遺伝子の詳細な 情報が必要不可欠となっています。そこで、森林総合研究所では、スギ雄花の完全長cDNA3)を大規模に収集し、遺伝子機能の情報を蓄積しました。
【成果】  完全長cDNAは遺伝子の機能解析に有用であり、将来の遺伝子組換え体の作出にも役立てることができます。森林総合研究所では様々な発達段階のスギ雄花を材料として、完全長cDNAライブラリーを作製しました 。理化学研究所と共同で、このライブラリーから約2万個の完全長cDNAを単離し、末端の塩基配列を解読した結果、10,463種類の遺伝子を同定し、遺伝子の機能別に分類しました(図1)。これらの中には既知の花粉 アレルゲンと類似している遺伝子が180種類あり、さらに、実験植物の雄しべや花粉で特異的に発現する遺伝子や転写因子4)の遺伝子など重要な機能を持つ遺伝子も多数含まれていました。完全長cDNAの大規模収 集は、針葉樹では世界で初めてのもので、樹木では森林総合研究所が既に公表しているポプラに次ぐ成果です。
【成果の活用】  本研究により得られた大量のスギ遺伝子情報は、網羅的な遺伝子発現解析に用いるDNAマイクロアレイ5)の作製や、DNAマーカーの開発に利用することができるとともに、アレルゲンの探索やスギ遺伝子の情報を 利用したDNAワクチンの開発など、医学研究の用途等にも利用できます。今後、森林総合研究所では、スギの雄花や花粉の発達過程で働く遺伝子を明らかにし、花成制御遺伝子や雄性不稔遺伝子等を探索することによ り、花粉が飛散しない雄性不稔スギ等の開発を効率的に進めることを目指します。
 なお、収集したデータは日本DNAデータバンク(DDBJ)に登録するとともに、森林総合研究所で提供している森林生物遺伝子データベース(ForestGen; http://forestgen.ffpri.affrc.go.jp/ja/index.html )を通じて 誰でも自由に利用することができます。
【用語解説】 【本成果の発表論文】 図1 スギ雄花で発現している遺伝子の機能分類
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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