ID 8490
登録日 2008年 8月11日
タイトル
野生のシカ 樹皮食べ 原生林被害
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20080811/CK2008081102000116.html
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元urltop:
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写真:
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雲取山への登山道で、より多くの人が利用するのが、秩父市の三峯神社からの一〇・七キロのコースだ。五、六時間かけて雲取山荘まで登ってくる途中で、登山道脇の樹木に網がかけられているのを目にし
た人は、山荘に着くと「あれはなんですか」と質問する。野生のシカが樹皮を食べるのを防止するネットと聞き驚く人が多い。
トウヒやシラビソ、カエデなどの原生林の樹皮は、シカにとってはおいしいごちそう。樹皮をむかれた木は間もなく枯れてしまう。雲取山の周辺にはそんな立ち枯れの大木が多い。
雲取山の周辺で野生ジカが目立つようになったのは「かれこれ二十年になるかな」と山荘の主人新井信太郎さん(73)。
かつて、八月の山頂はヤナギランやコオニユリ、シモツケソウなどが咲き、見事なお花畑だったが、そんな光景も見られなくなった。新井さんは「シカが食っちゃったんだ」と話す。
原生林は水を蓄える緑のダムで、雲取山などの山々は東京都の水源でもある。都水道局は食害防止のために、シカが狙う木々に樹皮保護のネットを巻いている。さらにシカ侵入防止用として、高さ約一・五メートルの柵
を総延長四・六キロ張り巡らした。その管理も大変な作業という。
そんな苦労もよそに、シカは登山者に気付くと姿を現す。餌が目当てだ。登山者たちはザックから出した菓子類を食べさせているが、「これはやめてほしい」というのが水源を守る人たちの一致した意見だ。
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