ID 8381
登録日 2008年 7月26日
タイトル
バオバブの木は、奴隷売買を見ていた
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/107451.html
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元urltop:
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写真:
写真が掲載されていました
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十勝管内大樹町出身で西アフリカのガーナ在住の日本語講師、米山博子さん(49)が、アフリカの奴隷貿易を題材にした絵本「サラガのバオバブ」を新日本出版社(東京)から出版した。絵はガーナ人画家が
担当。一時帰国中の米山さんは「人間の尊厳を考えるきっかけになれば」と話している。
同書は奴隷市場があったガーナの町、サラガが舞台。二百年ほど前、十二歳の少年が奴隷として米国に売られるまでを、巨大なバオバブの木が見ていたという物語だ。
米山さんは一九九四年からガーナに滞在。五年前、アフリカの人々が北米などに売られた奴隷貿易の歴史を学ぶ機会があり、奴隷をつなぐ鉄のくいが打たれたままのバオバブがあった話を聞いて衝撃を受けた。
「人身売買を見続けてきたバオバブの叫び、心の痛みが私の中に入ってきた」と、初めての絵本制作を決意した。絵はガーナ人画家エドモンド・オパレさんが引き受けた。
「負の歴史を、外国人の私が書いていいのか」と自問することもあった。だが、オパレさんは「あなたは人間としてこの問題を真剣に考え、伝えようとしている。偉大なことだ」と励ましたという。米山さんは「過去の過ち
を見つめることが、人間を尊重する未来づくりにつながる、との願いを込めました」と話している。
三十二ページ、税込み千四百七十円。問い合わせは新日本出版社(電)03・3423・8402へ。
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