ID 721
登録日 2006年 4月 7日
タイトル
「和紙の里」へ遊歩道 自生ミツマタ観賞へ 膨らむ夢
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新聞名
中国新聞
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元URL.
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200604060067.html
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元urltop:
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写真:
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安芸高田市向原町坂上地区の「虫居谷のミツマタ群落」に、地元の住民自治組織、坂上地域振興会が遊歩道を整備した。小川を渡れる橋を手作りで架け、今が見ごろの花の観賞を呼び掛ける。一度も利用す
ることなく放置していたミツマタに光を当て「和紙作りの里」にしようと、住民たちの夢は膨らむ。(中橋一誠)
東広島市豊栄町との境。向原町中心部から県道吉田豊栄線を進み、道沿いの看板を目印に左へ四百メートルほど入ると、三つに分かれた枝先にぼんぼりのような明るく黄色の花をつけたミツマタが谷沿いに咲き誇る。
江戸時代から和紙の原料とされ、紙幣に用いられるミツマタ。虫居谷には、五十年以上前に植えられた。だが、時代の変遷で収穫されることなく忘れられていた。十二年前、地域資源の再発掘に取り組んでいた地元有
志が、約三十アールほどの広さにまで自生した姿に着目。二〇〇〇年から本格的に雑木の管理や遊歩道の整備を始めた。
小川を渡る長さ約十二メートル、幅約一メートルのヒノキの橋は、振興会の地域づくり事業として昨年から建設。今年三月に全長約四百メートルの遊歩道が完成した。
「花をめでるだけでなく、和紙を作って特産にできないか」。振興会地域づくり部の石見幸三部長(80)たちが提案し、昨年二月に先進地の真庭市を視察。蒸して皮をはいだミツマタから和紙を作るノウハウを学んだ。
既にドラム缶を利用した釜をつくり、今後試作を重ねていく。石見さんたちは「向原は、かつてコウゾによる和紙作りが盛んだった。ミツマタも何とか商品化したい」と研究を続けている。
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