ID 8060
登録日 2008年 6月27日
タイトル
伊万里ナシの木が高齢化 改植で若返りへ
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新聞名
佐賀新聞
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元URL.
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&blockId=952767&newsMode=article
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元urltop:
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写真:
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伊万里市を代表する特産品、ナシの“高齢化”が深刻だ。多くが樹齢30年を超え、生産量の低下が著しく、品質も小玉が目立ってきた。生産者は「一刻も早く木の若返りを」と、改植用の大苗の栽培を昨年末か
ら開始。市も本年度から補助金を投入するなど、官民挙げて生産性向上に向けた取り組みを進める。
県産ナシは昭和50年代前半、一気に産地が造成された。JA伊万里営農部によると、ナシの収量が最も多いのは樹齢15~25年だが、市内にあるナシの木の半分近くが老木とされる樹齢30年以上。栽培面積減少も加
わり、生産量はピークだった97年度の1万200トンから、07年度は4809トンにまで落ち込んだ。
生産性を取り戻すには老木から苗木への改植が必要だが、ここ数年、ナシの販売価格は1キロあたり350円台で、生産者の収入は平均660万円。年間を通して手入れが欠かせない割に実入りが少なく、ある生産者は「
重機や人手が必要な改植に、なかなか踏み込めない」と苦悩する。
こうした状況を受け、JA伊万里ナシ部会(丸尾正秋部会長)は昨年12月から、独自に苗木を育て始めた。同市大川町の水田約20アールを改造し、早期の成木化に適した2年生の大苗2000本を栽培。今秋から1本12
00円程度で生産者に提供し、今後3年間で8000本の改植を目指すという。
市も本年度、改植事業への補助金457万円を計上。園地の老木化に悩む生産者を資金面で後押しする。
JA伊万里や生産者らは昨年6月、「伊万里梨再構築プロジェクト」を立ち上げ、12年度までに市内の約4割にあたる100ヘクタールを改植するとの努力目標を掲げた。丸尾部会長は「改植後のナシは実をつけるまで4
年ほどかかる。収量も落ちるが、将来を見据えれば必要不可欠な事業。生産者の意欲で乗り切りたい」と話す。
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