ID 673
登録日 2006年 3月31日
タイトル
スギの樹皮で育苗培地 県農業研など織肇泪蛤惑殕僂乏・
.
新聞名
徳島新聞
.
元URL.
http://www.topics.or.jp/News/news2006033107.html
.
元urltop:
.
写真:
.
徳島県立森林林業研究所(徳島市)と県立農業研究所(石井町)が、スギの樹皮を原料にしたトマトの養液栽培用の育苗培地を開発した。樹皮を粉砕して固形に加工・成型したもので、土壌で分解されるため
使用後に廃棄物とならないほか、県内の林業で処理に困っている樹皮が有効利用できる。このほど加工技術の特許を出願した。
トマトの養液栽培は通常、種から複数の葉が出るまで育てた苗を縦横各十センチ、厚さ五センチの「育苗キューブ」といわれる培地に植え、最初の花が咲くまで育ててから、ほ場に移す。現在使われている育苗キューブ
は、岩石を高温で溶かして繊維状にしたロックウールが原料。ロックウールは腐らないため、使用後には廃棄物としての処理が必要になる。
県が開発した樹皮培地は、スギの樹皮を細かく砕いてから水と混ぜ、脱水成型する。この工程でアンモニア水を少し加えることで、樹皮の成分が反応して余分な化学物質を加えずに成型できるようにした。栽培に必要
な吸水性や保水性も高めたという。開発に当たっては、油圧プレス機メーカーの山本鉄工所(小松島市)の協力も得た。
農業研究所で試験栽培したところ、トマトの生育はロックウールと同等だった。吸水性が強いため、特に気温の高い夏場に水をやる回数が軽減できるなど作業の省力化にもつながった。
また、生分解性試験では、樹皮だけよりも大幅に分解性が高いことが分かった。使用後は畑などの土壌となるため、農家の処理負担が少なく環境に優しい。今後は、作業性などを研究して製品化を目指す。
県によると、県内では年間約二万立方メートルのスギの樹皮が出ているが、有効な利用法がなく、焼却などの処理コストが林業や木材産業の負担となっているという。
森林林業研究所は「スギの樹皮利用の道が広がってきた」。農業研究所は「廃棄されている素材を有効利用しつつ、使用後も土壌へと循環利用できる環境に優しい栽培法だ。さらに技術を高め、普及させたい」と話して
いる。
..