ID 6849
登録日 2008年 3月24日
タイトル
地球と暮らす:/42 太陽の会 雑木林で「ものづくり」
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新聞名
毎日jp
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元URL.
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20080324ddm016040003000c.html
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元urltop:
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写真:
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春には桜の名所として知られる多摩森林科学園。その奥に広がる何の変哲もない雑木林に、丸太や枝を組み合わせた舞台や、ササを組み上げたドームが姿を現しつつある。一つ一つに具体的な使い道があ
るようには見えないが、斜面にそっていろいろな造作物が配置されると何となく楽しい。子どものころに野山で、わらや板切れ、落枝などで作った秘密の隠れ家のようなものとでも言えば分かってもらえるだろうか。
この森はNPO「太陽の会」が手がける「高尾山ランドアートワークショップ」の作業現場だ。昨年夏から週末ごとに大人や子どもが集まっては、わいわいがやがやと作り上げてきた。事務局の岩本彩哉さん(49)は「完成
形はなく、みんなで考えることが楽しいですね」と話す。
原型はフランスで07年から取り組まれている「現代美術ビエンナーレ」。西部にあるナント市が中心となって、経済停滞に苦しむ地域の活性化を目的に、ロワール川沿いの60キロ以上にわたり木や土から作った造形
物20点以上を点在させているという。フランスでの出展者の一人で、高尾山の催し物を共催する早稲田大客員教授の丸山欣也さんは「フランスでも土をこねていくうちに子どもたちの目が輝いていく。土や木、石といっ
た身近な材料でいろんなものを創造する場を作りたい」と意気込む。
29日には、小、中学生の子どもを集めてランドアートや樹木の伐採に挑戦し、地球環境のためにできることを話し合う。当日はタレントで東京海洋大客員准教授のさかなクンやサンゴ研究家の琉球サンゴくんなどが来
場し、森と海のつながりについて話す。
高尾山周辺に限らず全国で、以前は共同で管理していた雑木林が相続や所有権の移転などによって持ち主が分からなくなり、手入れされないまま放置されている。一方、地球温暖化対策として森林の整備は急務。岩本
さんは「押し付けではなく、いろんな人が森との関係をごく自然に作れるようなきっかけづくりをお手伝いしたい」と狙いを話す。
雑木林では、ものを作るだけでなく、周囲の樹木の高さや直径を測ったり、植物を調べたりしている。また、フランスから造園家を招いて手入れの仕方を話し合った。今後も里山にかかわる国際交流を続けていく方針だ
。【山本建】=つづく
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◇太陽の会
75年に発足。06年にNPOの認証を得た。会員は40人。会長は三木武夫元首相の妻、睦子さんで、国連広報センター所長の幸田シャーミンさんらが役員などを務める。オフィシャルサイトはhttp://www.the-taiy
o.jp/。連絡先は電話03・3432・2365
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