ID 6609
登録日 2008年 3月 6日
タイトル
歴史ある大きな桜救え/北上4大エドヒガン
.
新聞名
朝日新聞
.
元URL.
http://mytown.asahi.com/iwate/news.php?k_id=03000000803060005
.
元urltop:
.
写真:
.
4大エドヒガンザクラを救え――。桜の名所で知られる北上市の東西南北4カ所に、市を囲むようにエドヒガンザクラの巨木がある。樹齢400~500年で樹勢の衰えが目立ち始め、花がまばらにしか咲かな
い桜も出てきた。市の天然記念物や保存木に指定されているこれら古木の危機に、「きたかみ巨木の会」は「歴史ある桜を救おう」と市民に呼びかけている。
◇
桜は鳥谷脇(とやのわき)(和賀町横川目22の92)、堀之内(更木27の22の1)、大越田(おおごしだ)(口内町大越田209)、金附(かねつき)(稲瀬町金附56)にある。
これらの桜は開花時が農作業を始める目安となることから、地元民から「種まき桜」などと呼ばれ親しまれてきた。
鳥谷脇の桜は幹周6.5メートル、高さ16メートル。桜としては県内屈指の巨木で、82年に市の天然記念物に指定された。
堀之内の桜は幹周4.4メートル、高さ21メートル。大越田の桜は幹周4メートル、高さ10メートル。いずれも74年に市の保存木に指定された。金附の桜は3本あり、最も大きいのが幹周4.4メートル、高さ25メートル。
巨木の会がこれら4カ所の桜を調査したところ、腐食が進んだり、菌類が寄生するテングス病にかかったりして危機に瀕(ひん)していることがわかった。
特に堀之内の桜は幹の中が空洞になり、花はわずかに咲く程度。枯死寸前を思わせる状況に、巨木の会は昨年、保存に向けての取り組みを地元の更木地区に働きかけた。
更木地区ではこれを受けて昨年11月に関係者が集い、テングス病にかかっている部分を枝打ちし、根元に肥料を入れる作業をした。今年3月には保存会を結成する方向で準備を進めている。
更木地区交流センターのセンター長小原信(しん)さん(73)は「再び爛漫(らんまん)と花を咲かせるように手当てをし、地域の宝として後世に引き継ぎたい」と語る。
北上市で桜の名所として有名なのは市立展勝地公園のソメイヨシノの桜並木だ。日本さくらの会の「さくら名所100選」に選ばれ、さくらまつりの期間中、大勢の観光客でにぎわう。
一方、4カ所のエドヒガンザクラは地元民に愛されながら、ひっそりと咲いてきた。
巨木の会会長の平賀昭士(あきし)さん(71)は「一本桜のエドヒガンには桜並木にはない良さがある。保存対策を講じて、できるだけ長生きしてもらいたい」と話している。
..