ID 6380
登録日 2008年 2月17日
タイトル
森林破壊に脅かされるパンタナル大湿原の
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.news.janjan.jp/world/0802/0802160905/1.php
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元urltop:
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写真:
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アマゾンと並び、生態系の保全がブラジル最大の環境懸念のひとつとなっているマトグロッソ・ド・スル州の大湿地帯パンタナル。
居留地Kadiweuの森林は、パンタナルの拠点コルンバにある製鋼所MMXの増大する需要を満たすため森林伐採が進んでいると、地元NGO、Ecology and
Actionの責任者アレサンドロ・メネゼス氏はティエラメリカの取材に応えて語った。
2007年からコルンバで鋼鉄や銑鉄の生産を行っている同社は、すでに違法な植物由来の炭の使用禁止に直面しているが、一時的な司法命令の下で事業を継続している。
プラント建設に先立ち、MMX社は、原生林ではなく造林地からの炭に限り調達する旨検事総長事務局および州政府と協定を締結した。しかし同社は数回にわたる協定違反で、56万ドル相当の罰金をすでに科せられて
いる。
マトグロッソ・ド・スル州立大学のソニア・ヘス教授は、製鋼所の需要は近隣の栽培林事業による植物由来の炭の生産量をはるかに上回ると指摘している。その結果、1日3,500トン近い自生樹木が炭にされている。
さらに環境当局によれば、マトグロッソの自生林は隣りのミナスエライス州の製鋼所への供給にも使われている。
メネゼス氏は、炭の生産者はKadiweuの領土が先住民族の土地と認識されているにもかかわらず、一部が今なお大地主の占有下にあり、訴訟中であるという現状を利用していると指摘する。
また、鋼鉄や農作物の運搬のため拡張が進んでいる水路、そして大豆やサトウキビなどの農作物栽培の拡大によっても、パンタナルの生態系は脅威にさらされている。
豊かな生物多様性を有し、エコツーリズムの観光地であるパンタナル大湿地帯の保全は、左派ルーラ政権の優先課題のひとつでもある。
先住民族を脅かしているブラジル中西部大湿地帯の環境破壊の現状について報告する。(原文へ)
翻訳/サマリー=坪沼悦子(Diplomatt)/ IPS Japan 山口響
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