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ID 6141
登録日 2008年 1月28日
タイトル
熊野の森 再生へ 林業家と研究者が討論
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=139598
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元urltop:
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写真:
 
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熊野の森ネットワーク「いちいがしの会」(竹中清代表)の設立10周年記念大会が27日、田辺市湊のJA紀南ふれあいセンターであり、地元林業家と研究者が熊野の森の現状と再生について意見交換した。
 会員ら約200人が来場した。「森を『創る』」をテーマに、林業家の多屋平彦さん(田辺市)、森林生態学に詳しい水野泰邦さん(上富田町)、土壌生物を研究している山本佳範さん(和歌山市)、水生生物を研究している 弓場武夫さん(田辺市)がそれぞれの立場から発言。南紀生物同好会の玉井済夫さん(同)が進行役を務めた。
 多屋さんは、林業家として大きな木を大切にしたいとの思いから「どういう所に巨木があったらいいのか、民間の人工林も含めて教えてほしい」と質問した。
 水野さんは「原生林と呼ばれる森林はほとんど残っていない。点々と残っている森も非常に弱っており、本来、熊野古道周辺はこんな森だったという証拠が消えつつある」と指摘した。さらに木が成長するのに長い時間 を要することを挙げ「森づくりについてこれがよい、こうしたらよいというのは分からない。現在の森をどうしていくのかを、後生にずっと伝えていかないといけない。そのためにも証拠となる巨木を残さないといけない」 と話した。
 これからの林業について聞かれた多屋さんは、頂上まで植えるのが有効とされてきた時代背景などを説明し「いまは山の上部や尾根は林業地にするべきでないと思っている。そういった所は伐採した後、自然に返そう と思っている」と説明した。
 弓場さんはムカシトンボやナガレホトケドジョウ、ハコネサンショウウオなどから、水生生物と森との関係を示し、山本さんは森をつくっているのは小さな土壌生物であることを強調した。
 玉井さんは「熊野古道ができた当時を夢見ている。わたしたちがいま植えている木すべてが森になっていくというのではなく、自然に生えてきた木の手助けにもなる。生活と林業とのかかわりは大きいが、現在は人工林 が多過ぎる。どうすれば両方がうまくいくかを考えていきたい」とまとめた。
 熊野の森の現状を訴えるスライドが上映されたほか、昆虫生態写真家・伊藤ふくおさん(奈良県)の記念講演もあった。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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