ID 6119
登録日 2008年 1月26日
タイトル
伐採されることになった大ケヤキ(東吉野村滝野で)
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news/20080125-OYT8T00629.htm
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元urltop:
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写真:
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東吉野村滝野、白馬寺(中島教道住職)境内にそびえる推定樹齢650~700年の大ケヤキ(高さ約32メートル)が、2月上旬に伐採されることが決まった。枝の落下や強風時に倒木の恐れがあり、地元自治会
(萬谷一彦自治会長)は「我々を見守ってきてくれたシンボル的存在の<おけやき様>だが、人命には代えられない」としている。
大ケヤキは、室町時代に同寺境内に鎮座する水分神社のほこらの北側に植えられた。今では地上付近の幹回りが6・6メートルと太く、約20メートル四方に枝が伸び、県内でもトップクラスの巨木といわれ、村が1989年 に天然記念物に指定した。
しかし10年ほど前から樹勢が急激に衰え始め、地元住民が約300万円をかけて表皮に樹木薬を塗るなどして手当てしたが回復しなかった。参拝者や観光客から「枝が落ちて肩に当たった」などの届けもあったという
。
樹木医は、高さ十数メートルの部分で分かれている二またの枝の片方が枯れたため、バランスが悪く、倒木の恐れがあり、今後徐々に枯れていくとみている。
先祖代々からの古木を惜しむ声も多く、少しでも生きながらえてもらおうとワイヤで固定し、バランスを保つ案も出たが、ケヤキの下に本堂や民家などがあり断念。地元住民の総意で伐採することを決めた。村も昨秋、
天然記念物の指定を解除した。
伐採後は大ケヤキの種子から芽生えた若木を2世として同じ場所に植樹する方針で、萬谷自治会長は「住民にとって大事なケヤキですが『あの木があったから事故が起きた』では遅く、断腸の思いで伐採することにし
た」と苦しい胸の内を語る。
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