ID 6116
登録日 2008年 1月25日
タイトル
枯死の危機「舟つき松」の回復策協議
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新聞名
山陰中央新報
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元URL.
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=499579004
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元urltop:
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写真:
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松江市南田町にある市の天然記念物「舟つきの松」が老化のため、枯死の危機にひんしている。市は樹勢回復に力を尽くしているが、妙案はない。地元市民も弱りゆく名木をどうにか助けたいと二十五日、同
町内で「舟つき松を考える会」を開催し、市とともに今後の対策について考えた。
舟つきの松は一七七四年、松江藩七代藩主の松平治郷(不昧)に嫁いできた仙台藩主伊達宗村の九女、しず姫が持参してきた盆栽で、庭に植えて成長すると、堀川を進む殿様の舟がこぎ寄せる際、目印とされるように
なり、こう呼ばれるようになった。
樹齢は約三百年で、幹回り三・六五メートル、枝の広がる面積は二百十平方メートルにも達し、青々とした葉を覆い茂らせてきた。
しかし近年、樹勢の衰えが目立つようになり、昨年五月ごろから急速に老化が進行、見上げるとすき間から空が見えるようになり、葉は色目が悪くなった。市の調査では、幹は厚さ約九-十一センチの樹皮があるだけで
、内部は腐り果て大きな空洞があるという。
市は樹木医などの専門家を集め、薬剤の散布や根の周囲に木炭の粒を敷き詰めるなどさまざま方法で樹勢回復を試みているが、まだ思うような効果は上がっていない。
二十五日夜、同町集会所で考える会を開いた地元市民は、市からの「非常に危険な状態」との報告にショックを隠せない様子。「本当にもう枯れてしまうのか」と嘆く声が聞かれた。
それでも参加者は、松江のシンボルを守っていこうと結束を確認。森林経済が専門で、市民の立場で参加した島根大元学長の北川泉さん(76)=同市雑賀町=は「まず、水はけをよくしてやることが一番大切ではない
か。とにかく、できるだけの対策を取らねばならない」と訴えた。
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