ID 6047
登録日 2008年 1月22日
タイトル
「点と線」ゆらいの桜の老木保存へ・・・清張ファン運動実る
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20080121-OYT8T00759.htm
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元urltop:
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写真:
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北九州市出身の作家、松本清張(1909~92)の代表作「点と線」(58年)に登場する旧西鉄香椎駅舎(福岡市東区香椎駅前2)前に立っていた桜の老木が21日、新駅舎前に移植された。周辺が区画整理事業
で整地されるため、清張ファンたちが保存を求めていたもので、移植作業を見守ったファンたちは「小説の時代を物語る桜が残り、感無量」と喜んでいた。(池田亮)
「点と線」では、旧西鉄香椎駅は、殺された割烹(かっぽう)勤めのお時と犯人の男が降り立ったとされる駅として登場。捜査する刑事が同駅から国鉄(現在のJR)香椎駅周辺を歩き、「道の両側は、ややにぎやかな町なみ
であった」などと書かれ、事件解決の端緒をつかむ重要なシーンが描かれる
桜の木は小説には書かれていないが、当時から旧駅舎前にあったため、ファンの間では「お時桜」と親しまれてきた。しかし、区画整理事業で旧駅舎はすでに取り壊され、木が立つ場所も近く道路として整備されること
になり、清張ファンでつくる「NPO松本清張の会」(北九州市)が「小説の面影を残すのは桜だけ」と福岡市と西鉄に移植、保存を要請していた
この日、市から委託を受けた造園業者らがクレーンを使い、高さ8メートル、重さ約3・5トンの木を35メートル離れた西鉄香椎駅前に運び、慎重に根を埋めると、作業を見守っていたファンたちに笑顔が広がった。同会
の上田喜久雄理事(65)は「ようやく願いがかなった。きょう(21日)は小説でお時の死体が香椎海岸で見つかる日。お時もきっと喜んでくれている」と喜んだ
桜は今年も花を咲かせそうで、立ち会った樹木医の白石眞一さん(75)は「あと20~30年間は、花が咲くように養生したい」と話していた。
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