ID 5845
登録日 2007年 12月23日
タイトル
皇居の緑“母なる森”に
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新聞名
日刊スポーツ
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元URL.
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20071223-298985.html
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元urltop:
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写真:
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東京などの研究者グループが、皇居の緑を多様な遺伝子に恵まれた“母なる森”として、近郊の緑化に役立てる「母樹の森構想」を提言し、宮内庁が賛同していることが23日、分かった
産地や由緒のはっきりした皇居の樹木群を遺伝子資源ととらえ、種子や挿し木によって繁殖、育成させる計画。生物多様性に関心が高まる中、江戸・東京の緑を復活させる試みで、学会誌にも発表された。説明を受け
た天皇、皇后両陛下も関心を示されているという
グループは日本造園学会メンバーの亀山章東京農工大教授ら。国立科学博物館による10年間の生物調査の結果が昨年まとまり、宮内庁庭園課の依頼で管理の在り方を検討、現在の生態系を維持するだけでなく積極
的に活用すべきだと指摘した
「皇居を母樹の森として維持し、外部への遺伝子の供給可能性について検討することが望まれる」と提言。例として、東京都の「グリーンロード・ネットワーク」計画を挙げ「周辺の緑地整備に役立てることができれば、国
民に夢を与える事業になる」としている
通常、緑地の新設には外来種や由来の分からない苗が混じることが多いが、亀山教授は「皇居の植物ほど由緒正しいものも少ない。東京本来の緑を再生させるのには最適だ」と話す
また、構想は皇居の森に現在ある植物や新たに植えるものについて、産地などを正確に記録するだけでなく、寿命を迎えた樹木の更新にも皇居で採取した植物を使うのが望ましいとしている
皇居・吹上御苑の森はスダジイやケヤキなどの木が茂り、都内の巨木の約2割を占める。江戸開府以前の街道の並木が最古でその後、日本庭園として整備、自生種と植栽された種が混然となった。寿命を迎えた木も多
く、放置すれば林相が激変すると懸念されている。
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