ID 494
登録日 2006年 3月 9日
タイトル
紀州うめ研究協議会 生育不良対策など学ぶ みなべ町
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/DAILY/20060310/20060310_004.html
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元urltop:
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写真:
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紀州うめ研究協議会は8日、みなべ町東本庄のふれ愛センターで、梅の研究成果発表会を開いた。参加した梅生産者ら250人が、県うめ研究所(同町東本庄)の研究員らの発表を聞いて、生育不良の対策や
商品価値を高める方法などを学んだ。
農協や生産者団体、行政でつくる協議会が、技術の普及によって梅の生産安定や産地の振興を図ろうと開いた。研究員5人とJA紀南の職員1人が発表した
土田靖久研究員は「ウメの生理生態特性からみた安定生産技術」と題して話した
土田研究員は、梅が乾燥や過湿などの水分ストレスに弱く、光合成能力が落ちて成長が抑制されたり、次の年への貯蔵養分が減少してしまったりすることを説明した。また、養分が実に優先的に流れるため、多くの実を
着けると枝や根に流れる養分が減少するという
このため、木の生育や次の年の枝や花の生育、着果率などに影響が出ないよう、乾燥した時には適度に水をやることや、地温の上昇を防いだり剪定(せんてい)時に花芽を調節したりすることが必要だと訴えた
水やりの目安を尋ねる会場からの質問には「夏場、雨の降らない日が10日続けば、20ミリ(1平方メートル当たり20リットル)の水をやればよい」と答えた
大江孝明研究員は「ウメの機能性成分に優れる紅色着色果実の生産技術」と題し、最近、市場で人気がある表面に紅色割合が大きい南高梅の果実について発表した
紅色割合の大きい実は、外観が良いだけでなく、生活習慣病の元となる活性酸素を消すとされる「抗酸化能」や栄養素が多く含まれるという
大江研究員は、紅色の着色には紫外線が不可欠で、紫外線が遮断されると抗酸化能も低下すると説明した
果実への日当たりを良くするため、日光を遮断する枝葉を落とす実験をし、紅色割合や抗酸化能が増大する結果が得られたと報告した。枝葉を落とす時期は、収穫の3週間前が最も効果的だったが、樹勢の弱い木では
できないという
このほか、自家受粉できない南高梅に替わる梅の開発への取り組み▽減農薬での病気や害虫の防除▽南高梅の結実の特性から考えた安定生産への取り組み▽気象条件に基づく収穫量予想―について発表があった
研究成果は研究所の冊子「成果情報第1号」にまとめられている。研究所(0739・74・3780)などで無料配布している。
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