ID 6539
登録日 2008年 2月29日
タイトル
米国西部を襲う干ばつの脅威
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新聞名
nikkei Bpnet
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元URL.
http://www.nikkeibp.co.jp/news/eco08q1/563182/
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元urltop:
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写真:
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樹木は、たえず栄養を与えられていれば、人間と同じように順調に育つ
樹木の年輪の研究者たちによれば、米国西部のコロラド川流域の平野に自生する、湿った厚い土壌に根を張った木々は、順調に育った木の好例だ。こうした樹木は、気候変動の歴史を調べるうえでは、あまり役に立たな
い。降水量の少ない年でも、年輪の幅が広いままだからだ
気候変動の推移を調査するには、コロラド川の年ごとの水量の変化に合わせて年輪の幅が変化している樹木を見つける必要がある。そのような木を探して、研究者たちは流域の岩だらけの急斜面をよじ登り、伐採者な
ら見向きもしない、曲がりくねった木を探す。環境の変化に“敏感な”こうした木は、順調に育った木より、なぜか寿命が長いらしい。「苦労を知らずに育った木は人間と同じように周りの環境に鈍感になってしまいます」と、
米アリゾナ大学の年輪研究所の研究者デイブ・ミーコは話す
ミーコは、ここ数十年間にわたる米国西部の気候変動の歴史を調べている。年輪の実地調査には、あまり費用がかからない。それでも降水量の多かった1980年代から90年代前半まで、ミーコはわずかな研究資金を集め
るのにも苦労した。「実際に干ばつにならないかぎり、干ばつの研究は注目されないのです」と、ミーコ
ところが2002年に、米国南西部が3年続きの干ばつに見舞われると、各地で降水量の最低記録が続出し、コロラド川の水量は例年の4分の1にまで落ち込んだ。これで干ばつに対する関心が一挙に高まった
コロラド川は、米国の7つの州とメキシコに暮らす3000万人に水を供給している。中西部のデンバー、ラスベガス、フェニックス、ツーソン、ロサンゼルスなどの都市は、すべてがコロラド川の水を利用している。コロラ
ド川からの水の恵みに浴する農地は1万6000km2にも及び、コロラド川がなかったら大半が砂漠化していた農地で、現在、数十億ドル分もの農作物が生産されている
19世紀になると、コロラド川流域の各所に水量計が設置され、流域の土地に川の水を1エーカーフィート(1エーカー当たり水深1フィート)単位で、つまり4000m2の土地に約1235tずつ水を供給するようになった。
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