ID　5522

登録日　2007年 11月27日

タイトル

松くい虫にやられ… 名木ゴヨウマツ枯死

新聞名

日本海新聞

元URL.

http://www.nnn.co.jp/news/071128/20071128005.html

元urltop:

写真:

　

推定樹齢二百年以上で、鳥取県指定文化財（天然記念物）である境港市渡町の巨木「西東（サイトウ）のゴヨウマツ」が、松くい虫被害に遭い、枯れた。市外から見学に来る人もいたという名木だけに、惜しむ声 も聞かれている 県指定文化財の「西東のゴヨウマツ」。松くい虫の被害で赤褐色になっている＝27日、境港市渡町 　同町の渡部家（屋号・西東）が所有。一カ所から五枚の葉が束になって出る松で、県教委によると、樹高五・五メートルで枝張りの周囲は五十メートル。傘を開いたような横長で、同家の中庭にある。家伝によると、文政 年間（一八一八－二九年）に北前船の乗組員から譲り受けた東北地方の木という 　九月上旬まではきれいな緑色だったが、十月になってから枯れ出し、今は赤褐色に変色している。樹木医によると、根から松くい虫が入ったためらしい。所有者の渡部立身さん（85）は、「兄弟の協力を受けながらこれま でと同じように手入れしていたのに…。親が『命より大切』と言っていたものを枯らしてしまい、親や先祖に申し訳ない」と肩を落とす 　肥やしをやり消毒し水やりをし、丹精込めて世話をしていた。中でも、枝折れを防ぐため、積もった雪を落とす作業が重労働で、厳しい寒さの中、三人がかりで一時間以上もかかっていたという 　県教委文化課は「病気になり改善策がないのは残念だが、これまで手厚くきれいに保護していただいたことに感謝している」と、長年にわたり管理に心を配ってきた渡部さんをねぎらう 　今後、県文化財保護審議委員会で、伐採などを含めた対応が検討される。