ID 5518
登録日 2007年 11月27日
タイトル
衰弱から立ち直る 80年の歴史見守るイチョウ
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新聞名
紀伊民報
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元URL.
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=136127
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元urltop:
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写真:
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田辺市龍神村、咲楽小学校校庭にあるイチョウの木が、元気を取り戻しつつある。近所に住む岡本昇さん(85)らが小学生時代に移植した木は、一時衰弱していたが、80年以上児童を見守り続ける。児童た
ちはイチョウの歴史について調べたり肥料をやったりしながら、巨樹への思いを強めている
児童は自分の学校について調べる学習の中で、校庭のイチョウについて岡本さんから話を聞いた。岡本さんは、小学生時代の校舎移転で、旧校舎の敷地から現在の咲楽小の校庭にイチョウを運んだエピソードを紹
介した
イチョウは当時高さ2メートルほど。12歳だった岡本さんは友人と4人で、約160メートル離れた学校敷地まで担いで運んだ
「どれくらい大きかったか」「運ぶときは重かったか」など児童から次々質問が飛び出し、岡本さんは思い出を懐かしむように丁寧に答えた
2005年秋、葉の付き具合などイチョウが弱っている様子を心配し、当時の校長らが県林務課に樹木診断を依頼した。葉が小さくなっていること、高い部分の葉が早く落ちていること、枝の先端部が少し枯れていること
などが診断結果として挙げられた。根の衰退が見られたが、地上部に病害虫や腐朽がなく、冬芽が形成されていると報告された。助言に基づいて特に衰弱している根に肥料をやるなどの土壌改良をした
以来、葉も増え、元気な姿を取り戻してきた。どっしりと太い幹にはぶら下がって遊ぶロープを付けており、休み時間には児童が落ち葉のじゅうたんの上で元気に遊んでいる。「イチョウを見て、児童たちは秋の移ろい
を感じている」と同校教諭
玉置績校長(55)は「イチョウは元気になって、見事な姿を見せてくれている」と話す。3学期には、児童たちと肥料やりをする予定だ
岡本さんは「(前の小学校は)とても校庭が狭かったと記憶にある。いまでも毎日のようにイチョウを見ているが、だんだん元気になってきたようだ」と、思い出の木に親しむ子どもたちの姿に目を細める。
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