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ID 5214
登録日 2007年 11月 3日
タイトル
少数民族村の祭りと世界観(VI) 雲南の民族と森林
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.news.janjan.jp/culture/0711/0710310867/1.php
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元urltop:
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写真:
 
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自然神の祭り  雲南の少数民族の多くは、万物に霊が宿ると信じている。したがって、彼等が信仰する神々の多くは、山や岩・樹木・河・水など自然に存在するものや、雨や雷などの自然現象に由来している。前回まで紹介した集落の 中心を示す寨心・寨門や村の守護神(寨神)の祭りは、村に暮らす人々を、村に隣接して広がる自然を支配する神々から加護を得て、災いをもたらす悪鬼から村人や家畜を防衛するための祭りであった。今回からは、さら にその外側に広がる経済活動の場である河川や山の神々や悪鬼、狩猟などの経済活動に関係する神々に対する祭りについて紹介する。
1.水神・河神の祭り  山間部に居住するタイ族の村には、村内に数本から獣数文の樹木が群生している場所がある。多くの場合、この樹木の群生地には水が湧き出る泉があり、それらの樹木も龍樹と呼んで、信仰対象となっており、祭龍(祭 水神とも言う)あるいは祭龍水潭の祭りを行っている。
 臨滄県モウ(孟子の孟に力)旺大寨村とラ(にくづきに昔)東村のタイ族は、龍山林の龍樹は巨大な龍の頭であり、村内にある龍林はその龍の尾であると考え、樹木の伐採を厳重に禁じている。モウ(孟子の孟に力)旺大 寨村のタイ族は、この水神の祭りをダンサーナン(ダンは祭り、サーは神、ナンは水の意)と呼び、毎年2回、農暦4月と8月の最初の子日に祭司ロントウが主催して、モウ(孟子の孟に力)旺河の河岸にある龍樹メイユン( ドクウツギ1本と菩提樹2本)の前で祭りを行っている。
 祭りには祭司と補佐役2名、数名の長老のみが参加が認められ、女性の参加は許されていない。祭りに先立って、祭司は供物の鶏・豚肉・酒を用意し、村人たちは祭りの費用を集め、食用の雄鶏と雌鶏を各1羽・卵4個・ 酒1斤、祭具の蝋燭と線香を2組・少量の米と雑穀や籾殻付きの稲を用意する。祭りは、先ず生きたままの鶏を供え、それを供犠してから煮て再び供え、その間、祭司は天候がよく、水田に水が潤い、五穀が豊穣であるよ うに呪文を唱え、参加者全員で礼拝を行う。
 この儀式の後、村人全員で食事をする。また、この河岸には古い柳樹の傍らに神廟があり、村民は結婚する時や伴侶を亡くした時には、この場所で儀礼を行っている。村内には井戸があり、この井戸にも水神がいると 信じているが、祭りは行っておらず、数ヶ月に1度、井戸の周囲を清掃している。
写真1. 臨滄県ラ(にくづきに昔)東タイ族村の遠景  ラ(にくづきに昔)東村(写真1)のタイ族は、道路から村に入る道沿いに建つ白塔の前にある泉(写真2)をノンロンと呼び、毎年1回、農暦3月の最初の子日に、この泉の前で祭司ロントウが主催して水神の祭りである ダンザオナンを行っている。供物の雌豚1頭・鶏・卵・酒・線香を泉の前に供え、村の守護神に対する祭りと同様の経緯で祭りを行っている。
写真2. 臨滄県ラ(にくづきに昔)東村の白塔と祭龍水潭を行っている泉  騰冲県沙家ハ(「つちへん」に「霸」)村のリス族は、水神イジャニエの祭りを毎年2回、春節と刀杆節に行っている。祭りの当日、各家では少量の鶏肉・酒を持って河岸に行き供え、水神に神の加護を得て家族が平安に過 ごせるように祈祷している。
 双江県布京村のワ族は、村に近い河にいる河神をピゲロン(ピゲロンは水鬼の意味、河全体の神をムエイロンと言う)と呼び、水源林の水神サムロンと共に、洪水や旱魃が起こった時に、祭りを許された老人たちだけ が村の付近にある橋(写真3)、あるいは水源林に行って、河神に対して祭りを行っている。この時の呪文では河神と共に山神を讃える詞を唱えている。このことは村人が、長い自然と共生した生活の中で、山林を保護 することが豊かな水源と安全な河川を確保すると考えてきたことを示している。
写真3. 双江県布京ワ族村の河神ピゲロンを祀っている橋  騰冲県汪家村のワ族は、村の南側にある三カ(「きへん」に「果」)樹の井戸の傍らに龍王の図像を表した水神を祀った石碑がある(写真4)。かつて村の老人たちは、毎月1日と15日に、この龍王碑の前で線香を焚いて 礼拝していたが、現在、毎年2回、春節と農暦6月13日の龍王会に水神の祭りを行っている。春節の早朝、村の男性が井戸の周囲を清掃し、龍王碑に酒や茶・果物などの供物を捧げ、線香を焚いて礼拝をする。この日、 女性は休息することができ、炊事は男性が行っている。食事は、香油で炒めた野菜や涼粉(米や小麦の粉で作った平たい麺)で肉食を禁じている。龍王会の祭りは、龍王碑に圓飯・酒・茶を供えた後に、祭りの儀式に詳し い老人が中心となって、村の平安と村人の無病息災を祈祷し、大宝紙銭・紙銭・黄銭を燃やす。1998年に本村では貯水池の修理を行って水道管を村内まで通したが、それまでは三(「きへん」に「果」)樹の井戸が本村の 水源であり、三カ(「きへん」に「果」)樹はかつての水源林の名残である..

このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。

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