ID 4432
登録日 2007年 8月 7日
タイトル
タブノキが調査対象に
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新聞名
タウンニュース
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元URL.
http://www.townnews.co.jp/020area_page/01_thu/11_asah/2007_3/08_09/asah_top1.html
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元urltop:
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写真:
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神奈川県が1984(昭和59)年に選定した「かながわの名木100選」のうち、県内26市町村に現存する約90本を対象に、日本樹木医会神奈川県支部(冨田改支部長)が現状調査に乗り出した。旭区の「嶋崎金
子稲荷社のタブノキ」(西川島町)は、8月18日に行われる予定だ。
「かながわの名木100選」が選定されてから20年以上が経過しているが、統一した調査、診断を行うのは今回が初めて。区内で対象となっている嶋崎金子稲荷社のタブノキは、市の教育委員会の調べでは樹齢約300
年とされている(その他にも様々な推測がある)。県の名木100選に選定されていると同時に、市の名木古木指定樹、指定天然記念物にもなっており、9年前より「たぶの木陰公園」としても親しまれている町のシンボル
だ。
樹の所有者の1人である嶋崎迪夫さんの話によると、西川島町はかつて農村地帯で、五穀豊穣を祈って稲荷神社を建てたという。そこに偶然タブノキがあり、「神木」として祭り始めたことがきっかけのようだ。嶋崎さん
は、「タブノキは本来群生で暖かい場所に自生するので、このような場所に単木で立っていることが珍しいのではないか」と話している。
名木を地域のシンボルに
日本樹木医会は、全国の名木・古木を保存する技術者を育成することを目的として91年に発足。昨年支部長に就任した冨田氏は、「人間でも年に1回は健康診断を受けている。木も同じ。現状を診断、把握して地域の
シンボルとして残すかどうか考えてほしい」と、(財)日本造園修景協会神奈川県支部とともに、ボランティアで調査を開始した。
今回の調査項目は、生育環境や管理状況、形状寸法のほか、樹木の活力度、被害状況、処置の必要性など多岐に渡る。また、名木実態調査として「遠方からの視認性が高く、シンボルやランドマークとしての価値が高い
」といった景観性や、「防風効果」「遮音効果」といった地域環境から見た樹木の価値も調査対象となっている。
今回の調査は、日本樹木医会神奈川県支部に所属する93人の樹木医の技術力向上や交流も目的。全ての調査結果は11月中に関係する市町村に提出する予定だ。冨田支部長は「木を守り、大切にしていきたい。1本の
木がたくさんのエネルギーを与えてくれ、楽しませてくれる。地域の人たちにも関心を持ってもらえれば」と話している。
【タブノキ=椨の木】
クスノキ科の常緑高木。高さ15m余りに達し、葉と材に精油を含み芳香がある。かつて関東以西の海岸から内陸側15~20kmの沿岸部で、土壌が深く適湿な立地に照葉樹林として広く発達していた。別称、イヌグス(犬
樟)..