ID 3761
登録日 2007年 5月11日
タイトル
ツツジ管理困難、守る会解散へ
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新聞名
三陸河北新報
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元URL.
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2007_05/k/070511k-tutuji.html
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元urltop:
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写真:
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ツツジの山として知られる気仙沼市の徳仙丈山(七一一メートル)で、ツツジ群落の保存活動を続けてきた「徳仙丈の自然とつつじを守る会」(佐々木梅吉会長、会員約六十人)は、先日開催した役員会で、三
十回を迎える今年の徳仙丈つつじまつりを機に解散することを決めた。一保存会で管理するには規模が大きくなったことが主な理由という。同会は、山が来年以降も朱に染まり多くの人々に慕われるよう、行政によるしっ
かりした管理の継続を望んでいる。
会長の佐々木さん(八三)=気仙沼市赤岩牧沢=によると、守る会が発足したのは三十年以上前。親しかった県議を徳仙丈山に招待した際、あちこちに自生するヤマツツジの手入れを勧められたのがきっかけだった。
初めは木挽き仲間の数人で移植や下草刈りに取り組んだが、間もなく有志を集めて組織化したという。
その後、ヤマツツジを「市の花」と決めた市の支援を受けながら移植と手入れを継続。その一方で、毎年、五月下旬から六月初旬にかけて山がツツジの赤で染まるころには、徳仙丈つつじまつりを開催。森林文化センタ
ーの能舞台で郷土芸能の上演を企画するなどして、ツツジ観賞に訪れた人々を歓迎してきた。
しかし、ツツジが五十万本と言われるまでの大群落に成長するにつれ、「一集団の手には負えなくなってきた」(佐々木さん)。このため祭りが三十回の節目になるのを潮に、話し合って解散を決意したという。十二日に
開く守る会総会で正式に決める。
これまでの活動とツツジ保護の願いを後世に伝えるため、先日、遊歩道の脇に石碑を建立した。横約一メートル、高さ約七十センチで、表には佐々木さんが詠んだ歌、裏には活動の経緯が記されている。歌は「雲を呼
ぶ高根を染る山つつじ市民の宝のちの世にまで」など六首で、半生をツツジとともに生きてきた佐々木さんの深い思いが刻まれた。
石碑は気仙沼市側の大駐車場から山頂に続く登山道の途中、森林文化センターと最初の展望台(あずまや)の中間付近に建っている。
佐々木さんは「会が解散しても、日本一のツツジの山と評価される徳仙丈山を、気仙沼の観光拠点としてみんなで守っていきたい。行政の一層の頑張りを期待したい」と話している..