ID 292
登録日 2006年 2月12日
タイトル
半世紀以上にわたって「標本木」を務め、引退したソメイヨシノの老木(京都市中京区・京都地方気象台)
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006021400104&genre=K1&area=K10
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元urltop:
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写真:
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半世紀にわたって京都の桜の開花基準となっていた京都地方気象台(京都市中京区)の「標本木」が老衰に伴って現役を引退し、その役目を若い桜に引き継いだ。気象台の職員は長年の重責を果たした老木
に感謝するとともに、新たに選ばれた若い木に期待を寄せている
引退するのは気象台の敷地にあるソメイヨシノの老木。この木が5、6輪の花をつけると「京都で桜が開花した」と宣言され、京都の開花状況の基準となっていた。
樹齢は不明だが、1913年に京都御苑にあった気象台が現在の地に移転した際、一緒に移植されたと伝わる。53年に正式に桜の観測が始まって以降、昨年まで50年以上にわたって標本木として活用されてきた。
しかし10年ほど前から木の勢いが弱り始め、近年は倒木の恐れも出てきた。開花もほかの木と比べて一、2日ほど前後することもあり、気象台は敷地内にあるソメイヨシノから次の候補を探していた。
敷地内の3本を検討した結果、正門近くにある樹齢約30年の木が新たな標本木に選ばれた。昨夏には大阪管区気象台に標本木変更の届けが出され、正式にその役目が引き継がれた。
京都地方気象台の桜は全国の京都ファンや観光業界から開花の問い合わせがあるなど、抜群の注目度を誇っている。既につぼみをつけ始めた若い標本木に、観測を担当する大久保卓治技術専門官は「古い木に負け
ないよう、立派に花を咲かせてほしい」と話している..