ID 261
登録日 2006年 2月 8日
タイトル
ついに花粉症の季節、最新治療と予防策を知ってこの春に備えよう
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新聞名
nikkeibp.jp
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元URL.
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID /onair/jp/medi/421857
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元urltop:
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写真:
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寒さが緩み出すこれからの季節、次第に憂鬱な気持ちを募らせるのは「花粉症」に悩む人たちだろう。今年のスギ花粉飛散量は、昨年に比べ、東京で10%前後、飛散量が多い地域でも30%~40%程度とかな
り少ないことが予想されている。しかし、花粉が飛んでいる限り油断はできない。つらい季節を少しでも快適に乗り切るため、花粉症発生のメカニズムや治療の最新情報など、日本医科大学付属病院 耳鼻咽喉科 大久
保 公裕先生に話を聞いた。
■増加の一途をたどる花粉症の原因は何なのか
――花粉症は、どのように発症するのですか。
花粉症になると、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの症状がでます。これは、体の中から花粉を除去するために、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水で流す、鼻づまりで中に入ってこないようにするという、防御の反応です。目がかゆ
くなるのも同様で、かゆみによって花粉を除去させるために起こります。
人間にとって花粉は、体の中にはないタンパクで「異物」です。しかし通常、花粉のような自然のものは、異物とは感じないようになっています。もしそれを異物と感じてしまうなら、食事で採るものなどもすべて、体の中
にはないタンパクとしてアレルギー反応を示すはずです。特定のある物質に対してだけアレルギー反応が起こるのは、体質的に決まっているからです。スギ花粉症の場合、花粉自体の飛散量が多く、またスギ花粉に対す
るアレルギー体質を持っている人が、圧倒的に多かったのでしょう。
ところが今は、スギ花粉に対するアレルギー体質を持っていない人まで発症するようになっています。厚生労働省の調査によると、国民のおよそ16%~20%の人が花粉症と考えられていて、ここ10年でおよそ2倍も増
加しています。その背景には、植林などによりスギが増えたことを始め、住宅や食べ物といった生活様式が変化したことなど、現代の様々な要素が花粉症の発症に合っていたのでしょう。
親が花粉症でなくても、子どもが花粉症になるというケースがよくあります。遺伝によって、たいていは「ひとつの物質を異物として認める」という体質おいて似ているはずなのです。臓器移植が確実に行えるのは親子だ
けだと言えるのも同じ理由によります。しかし、花粉症の場合はこれに当てはまらず、その理由も今のところ解明されていません。遺伝に関わっていない部分があり、増加の一途をたどっているとすれば、あとは環境によ
る要因が大きいと考えられるわけです..