ID 3129
登録日 2007年 9月 5日
タイトル
9月県議会開会 継続議案の決着を図れ
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新聞名
秋田魁新報
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元URL.
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20070905az
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元urltop:
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写真:
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9月定例県議会が、きょう5日招集される。最大の焦点となるのは、森林環境税「水と緑の森づくり税」と県職員給与を5%カットする条例案だろう。両議案はいずれも6月議会で継続審査となった。しかし、来年 度の予算編成が間近に迫る中、県財政と直接リンクする両議案が今議会で再び判断の先送りとなれば、県政の停滞だけでなく混乱を招くのは必至。議会と県当局は議論を尽くし、両議案に決着をつけるべきである。
森林環境税が継続審査となったのは、「県民への周知不足」などが主な理由。このため、県は県内各地で意見交換会を開く一方、県民アンケートなどを踏まえて税の使途の見直し案を提示した。税額、税収は変えず、針
・広葉樹の混交林化を圧縮して広葉樹林保全やボランティア育成などを重点化する見直しに対し、議会側から「事業を縮小したなら税額も減らせるはず」などの疑問が出されており、審議はなお曲折が予想される。
一方、県職員給与の削減案については、閉会中も県当局と各組合が団体交渉を度々行った。しかし、当局と組合との溝が全く埋まらないというのは、県民には奇異に映るだろう。
財政改革を短期集中で行うため「削減率5%で2年間(総額約80億円)」とする当局、譲歩しながらも激変緩和の要求として「同2%で5年間」と同額の削減案を提示した組合。なぜ歩み寄れないのか。
議会では、これまで明らかになった問題点を一つ一つ整理しながら議論を煮詰めることが必要だ。場合によっては、決着を図るための修正案もにらんだ対応が迫られよう。
これら両議案は、県の第4期行財政改革推進プログラム(20?22年度)に密接に絡んでいる。同プログラムでは逼迫(ひっぱく)する県財政を受け、全事業をゼロベースで見直しを進め、20年度当初予算案では前年 度当初に比べ250億円の歳出削減(一般財源ベース)を図る方針を示しており、両議案はその出発点的な位置付けにある。
県が森林環境税の導入を予定しているのは来年4月で、職員給与の削減は今秋から2年間。是とするのか、それとも仕切り直しとするのか。議会には本質的な議論を経た上での毅然(きぜん)とした判断が求められる。
ほかにも、今議会で審議が注目される点は少なくない。県が12月議会に関連議案の提出を目指している「子育て教育税」について、寺田典城知事は税収を充てる9事業のうち「バウチャー(サービス券)配布による在
宅育児支援」などを撤回する方針を表明した。今議会に提示される事業見直し概要を、議会がどう受け止めるか。導入の是非をめぐって熱い議論が続いてきた「子育て教育税」も、いよいよ論戦のヤマ場を迎える。
また、一般会計補正予算案には、秋田中央道路(秋田市)の建設工事に伴う地盤沈下で被害を受けた国学館高校への補償費4億9000万円が盛り込まれた。業者側が補償費の負担を拒否しているという状況下、同校以
外の被害も合わせて多額の県費投入が懸念されている。補償問題の解決と責任の明確化は、議会の責務でもある..