【うるま】“ど根性ガジュマル”の愛称で地元
住民らに親しまれてきたうるま市安慶名、安慶名市場のガジュマルが26日、地区の再開発事業に伴い移植された。ガジュマルは将来、まちの中心に設置される広場に植えられる予定で、新しいまちのシンボルとしての役
割が期待されている。
ガジュマルは長い間、人知れずアーケードの上に根を張り、アーケードの上から地面まで雨水を通すために設けられていた約4メートルの配管の中に根を伝わせて生き延びてきた。今年5月、アーケード取り壊しの際
に発見され、以来「強さにあやかりたい」と住民らの人気の的になっていた。
市場が誕生したのは終戦から数年後、辺り一面にまだ何もなかったころ。移植式にも参加した兼城英眞さん(94)、照屋寛敏さん(87)と、具志堅上貴さん=故人=の3人が市場を造ろうと話し合い、軍払い下げのテント
や山原から調達してきた丸太でテント小屋を造ったのが始まり。
市場はその後、だんだんと店舗も増え、買い物客でにぎわうようになったが、時代の流れとともに店を畳む人も増え、ひところのにぎわいは鳴りを潜めていた。
ガジュマルの根元に土をかけた兼城さんは「ガジュマルの“ど根性”にあやかって、新しい市場にはこれまで以上に繁栄してほしい」とガジュマルのたくましい生命力に新しいまちの発展を願った。
新市場は2010年完成予定で、現在の店舗は来年1月から仮設の店舗で営業する。
このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。