v10.0
- ID:
-
40840
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0224
- 見出し:
- ヒノキ植林、安く手軽に 県森林研究所、短いコンテナ苗開発
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20180225/CK2018022502000047.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 県森林研究所は二十二日、低コストで植えられるヒノキのコンテナ苗を開発したと発表した。根と培養土が絡む「根鉢」の部分を短くし、植える時の手間を軽減させるアイデア。木材の価格低下に伴い、伐採後の再造林の動きが停滞する課題を抱える県は「全国に先駆けた成果。百年先の森林づくりに役立てたい」と実用化を急ぐ
県内は傾斜が大きく水分を含みにくい地形が多く、他地域よりヒノキに適した土地の割合が高いが、造林面積は年々減少。植栽から四十年前後の林が四万ヘクタール余りあるのに対し、十~二十年の林は数千ヘクタールにとどまる
鉢のような容器で育てるコンテナ苗の手法は、五年ほど前に欧州から伝わった。畑で育てる「裸苗」よりも栽培が簡単で、伸びるのも早いとされる。ただ、ヒノキの根鉢は十五センチと長く、乾いた傾斜地に植える際に、深い穴を掘らなければならず、手間がかかっていた
ヒノキの植林作業。急な傾斜地で深い穴を掘って苗を植えるのは、負担が大きかった=下呂市金山町で(県森林研究所提供)写真 同研究所はまず、ヒノキの根鉢を短く切って植えてみたが、うまく根付かなかった。そこで、コンテナ苗の鉢の部分を浅くし、当初から根鉢を五センチに短くした苗を育てて山に植えてみると、通常の十五センチの苗とほぼ同じように育つことが分かった。植えるために穴を掘る時間は半分近くで済み、人件費を含めた苗一本当たりの費用は、十五センチの苗の三分の二程度に抑えられる
ただ、地中深くまで根を張るスギには、この技術を転用するのは難しいという。担当者は「岐阜県の実情に適した技術。三年後には、このヒノキを県内の山に植えられるようにしたい」と意気込んでいる
..