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- ID:
- 39514
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0907
- 見出し:
- 《経済》 天竜ヒノキの家を実現
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20170907/CK2017090702000102.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 地元「フジイチ」が製材・供給 フジイチが供給する天竜ヒノキを使った「しずおか檜」=浜松市役所で写真 積水ハウスは、浜松市天竜区の製材メーカー「フジイチ」が提供する高品質の天竜ヒノキを使った高級住宅の販売を県内で始めた。「しずおか檜(ひのき)」として住宅の柱に使い、当面は県内を対象に20棟限定で販売する。地産地消を促し、林業の活性化にも一役買う狙いだ
積水ハウスは木造一戸建て住宅に輸入材を多く使っていたが、徐々に国産材の利用を拡大。木曽ヒノキ(岐阜県)、吉野ヒノキ・スギ(奈良県)といったブランド材の産地と手を組み、国産材の活用を進めてきた
販売を始めた高級住宅のしずおか檜は、天竜ヒノキの板を張り合わせた十二センチ角の集成材。加工については、県森林・林業研究センター(浜松市浜北区)の協力を得た
住宅販売事業を説明する(左から)石野秀一社長、積水ハウスの細田嘉一郎静岡支店長、早川淳浜松支店長=浜松市役所で写真 積水ハウス静岡支店(静岡市駿河区)の細田嘉一郎支店長は「集成材は板の品質を確かめて加工できるため、強度の裏付けがある」と説明し、しずおか檜の評判が良ければ全国展開も視野に入れる。フジイチの石野秀一社長は「天竜材を広く宣伝できるチャンス」と話す。細田支店長と浜松支店(浜松市中区)の早川淳支店長、石野社長らは六日、浜松市役所を訪れ、鈴木康友市長に共同事業の概要を紹介した
積水ハウスは、しずおか檜を使った住宅見学会を九、十の両日、藤枝市南駿河台の滝ケ谷公園北側の会場で開く。両日とも午前十時~午後五時。問い合わせは積水ハウス中部第二営業本部=電054(284)1222=へ
(末松茂永)◆大手メーカー採用で弾み 全国の自治体で二番目に広い市域を持ち、その七割を森林が占める浜松市。市林業振興課によると、天竜区や北区引佐地域で生産されるヒノキやスギといった天竜材の量は、二〇一六年で一二・九万立方メートルと県内トップを誇る
切り出される原木の量も年々増えているというが、同課の担当者は「肝心なのは『出口』であり、多くの建築に使ってもらうことが大事」。近年は大都市圏を拠点に全国展開する企業に対し、天竜材の売り込みに官民で力を入れる。七月四日には、東京都内で自動車メーカーやコンビニ大手など二十社余りを招き、店舗などに天竜材を活用してもらえるよう、地元の製材業者らと「お見合い」するサロンを催した
有名な積水ハウスが高級住宅に天竜材の集成材を採用したことについて、「利活用の好例で、品質を広くアピールできる」と同課担当者。「環境に配慮した木材として、さらに他のハウスメーカーにも利用の動きが広がれば」と期待する
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