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- ID:
- 39016
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0712
- 見出し:
- 「代々木」起源トナリシ樹木 明治神宮創建直後の鮮明写真
- 新聞名:
- 東京新聞
- 元URL:
- http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017071290135507.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 東京・代々木の地名の由来になったと伝えられ、戦時中に焼失するまで明治神宮(東京都渋谷区)の境内にあったモミの大木の鮮明な写真が、北海道の民家で見つかった。大木の写真は神宮にも数枚保管されているが、いずれも画像が不鮮明だったり撮影時期が不明だったりで、寄贈を受けた渋谷区郷土博物館・文学館の松井圭太学芸員(49)は「大木の大きさや撮影時期が分かるなど貴重な写真」と話す。 (神野光伸) 同館によると、代々木の地名の由来は諸説あるが、現在の明治神宮の御苑東門の近くで「代々(だいだい)この地にモミの大木があった」とされたことから、地名が付けられたと伝えられている
新たに発見された写真は、一九二〇(大正九)年十一月の神宮創建の約一カ月後、北海道出身で写真家を目指して上京し、二三年に二十二歳で病没した渡部亀太郎さんが撮影した
大木の前に三人の男性がおり、木の立て札には「代々木ナル地名ノ起源トナリシ樹木」との文字が確認できる。写真の裏面には「明治神宮参道代々木拾弐(じゅうに)月五日撮影」と記されていたが、年の記載はなかった
このほか、神宮の縁石に座る男性二人と一緒に渡部さん自身が納まっている写真も発見された。男性二人は服装などから大木の写真と同一人物とみられる。裏面に「大正九年拾弐月五日」との記載があり、大木の写真の撮影日が裏付けられた。二枚が見つかったのは、渡部さんのめい渡部妙子さん(70)=北海道七飯(ななえ)町=宅で、今年に入って同館に寄贈された
松井学芸員は「創建直後のモミの大木の状態が、これほどはっきり分かる写真は確認されていない」と話している
明治神宮によると、大木は高さ約五十四メートル、幹の周囲は約十一メートルと推定されるが、明治中期に枯れ、太平洋戦争末期の四五年に米爆撃機B29が樹上に墜落して完全に焼け落ちた。大木があった場所には五二年、新たにモミの木が植樹された
写真は八月六日まで同館で公開。入館料は一般百円、小・中学生五十円。月曜休館(七月は海の日の十七日は開館し、十八日休館)。問い合わせは同館=電03(3486)2791=へ
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