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- ID:
- 34984
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0304
- 見出し:
- 戦国武将や文豪が愛した「美しすぎる桜の名所」5選
- 新聞名:
- まぐまぐニュース!
- 元URL:
- http://www.mag2.com/p/news/153398
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- もうすぐ巡り来る、桜の季節。無料メルマガ『おもしろい京都案内』では一足先に、選びぬかれた京都の「桜の名所」をご案内。秀吉が花見をするための院まで建てた名勝、ライトアップされた夜桜とコンサートを楽しめるスポット、文豪が絶賛した桜などなど、スケジュールを調整してでも出かけたくなる魅力的な桜の情報が満載です
京都 別格の桜3月になりましたのでそろそろ桜をテーマにした内容をお伝えしたいと思います。京都は街全体が桜の名所と言っても過言ではありません。今回はその中でも特に美しく見ているだけで感動する桜を厳選してお伝えいたします。それぞれ有名な場所ばかりなので是非今年訪れてみて下さい!醍醐寺1daigoimage by:京都フリー写真素材世界文化遺産に登録されている醍醐寺は京都を代表する桜の名所で豊臣秀吉が「醍醐の花見」を開いたことでもとても有名です。秀吉が花見をする為に設計したと言われる三宝院の入口を入ってすぐの場所に大きなしだれ桜「太閤しだれ桜」があります。目の前に空からシャワーのように降り注ぐかの如く咲くしだれ桜を目にした時は思わず涙が止まらなくなったのを覚えています
境内には約1,000本の桜が植えられていて種類の違う桜が順番に花を咲かせるので1か月近く桜を楽しむことが出来ます
醍醐寺は874年に理源大師・聖宝(しょうぼう)が上醍醐山上で醍醐水の霊泉を得て小さなお堂を建てたことにはじまります。そしてその場所に准胝(じゅんてい)観音像と如意輸観音を安置したことに由来します。その後907年に醍醐天皇の御願により薬師堂が建立され上醍醐の五大堂が完成しました
応仁の乱後、荒廃していた醍醐寺を80代座主義演(ぎえん)が復興しました。義演は豊臣秀吉と親密なつながりがあり再興を積極的に援助してもらうことが出来たと伝わります
醍醐寺は秀吉が開催した「醍醐の花見」で有名です。醍醐寺はかつてから桜の名所ではありませんでした。秀吉がこの地で花見をしたいと言い出したためにわずか数か月の間に約700本の桜の木がこの地に移植されたと伝わります。太閤秀吉の強大な権力を伺わせるエピソードですね。この時建物も一緒に増改築されていて、現存する醍醐寺の建物の多く(五重塔は除く)はその当時造られたものと伝わります
訪れた際は、京都府最古の五重塔と秀吉が手掛けたという三宝院の庭園を堪能してきてください。そしてその中心に置かれている源頼朝を始め数々の武将の手に渡り秀吉の手に収まったと伝わる「藤戸石」を見てきてください
住所:京都市伏見区醍醐東大路町22アクセス:京都市営地下鉄東西線「醍醐」駅より徒歩10分営業時間:9:00~17:00(12月第1日曜日の次の日よりから2月末までの期間は16:00)電話番号:075-571-0002参拝料金:三宝院=大人600円、中高生300円、小学生以下は無料伽藍=大人600円、中高生300円、小学生以下は無料URL:https://www.daigoji.or.jp/index.html平安神宮2heianimage by:京都フリー写真素材朱色の大鳥居が有名な平安神宮は京都市民の氏神様として明治28年に創建され京都のシンボル的な神社です。境内には1万坪の広大な神苑があります。神苑には美しい紅しだれ桜が咲き誇り見るものを圧倒します。上を見上げると桜のシャワーを浴びている様な華やかで美しい景色を見ることが出来ます。谷崎潤一郎や川端康成の文学作品にも登場する紅しだれ桜は死ぬまでに一度は見ておきたい光景です
毎年4月第2週の週末には神苑の紅しだれ桜のライットアップの中で「紅しだれコンサート」が開催されます。幻想的な夜桜と神苑での野外コンサートの共演は今までに感じたことのない感動を味わうことが出来ます
広大な神苑は回遊式になっていて約300本の桜を楽しめる桜ノ苑は見事です。紅しだれ桜が並ぶ華やかな雰囲気に京都らしい光景を堪能することが出来ます
琵琶湖疏水の水を引き入れた池泉回遊式庭園は、明治初期に造営されたものです。作庭は造園業「植治(うえじ)」7代目の作庭家・小川治兵衛が約20年かけて築いた晩年の最高傑作です。東京遷都で荒廃しかけた京都に活気を取り戻すために建立された平安神宮にしだれ桜を植える作業は人生をかけたものでした。華やかな命を注ぎ込み見る者を圧倒しました。その鮮やかさは今も健在です。「植治」は現在も東山の地で11代目が当主としてその技を引き継いでいます
平安神宮の桜の美しさは谷崎潤一郎の「細雪」、川端康成の「古都」の中でも描写されています。細雪の主な舞台は芦屋と大阪で、京都が登場するのは春です。主人公たちは花見だけは毎年京都と決めていて春になると連れ立って行くのが恒例の行事になっています。あちこちの花の名所を回りいつも最後をしめくくるのが平安神宮の神苑のしだれ桜です
谷崎潤一郎「細雪」この神苑の花が洛中における最も美しい
最も見事な花であるからで円山公園の枝垂桜がすでに年老い年々に色あせていく今日では、まことにここの花をおいて京落の春を代表するものはないといってよい
川端康成「古都」みごとなのは神苑をいろどる紅しだれ桜の群れである
今はまことにここの花をおいて京落の春を代表するものはないと言ってよい
川端康成が書いたこの文章は谷崎が細雪で書いた文章をそのまま引用しているのです
いずれの文学作品の中でも平安神宮の桜は大絶賛されています。日本の自然美の描写の素晴らしさを評価されノーベル文学賞を受賞した川端康成が絶賛する紅しだれ桜の美しさは今年も健在です。昔よりも美しいものがより身近にある今の世でも、これほど美しいと思えるものは他にないと思わせる平安神宮神苑の紅しだれ桜。是非今年は堪能してみて下さい。自然と涙がにじみ出てくるほと感動的です
神苑の出口付近には、桜の花びらにちなんで ピンク色の紙でつくられた桜みくじ(はなみくじ)があります。そのおみくじを満開成就の結び木に結んでいくと桜が咲いたように見えるという粋な演出がなされています。ちなみに「大吉」は「満開」と書いてあります
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