v10.0
- ID:
-
38075
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0403
- 見出し:
- 被爆の惨禍伝える樹木延べ71本を樹勢回復措置
- 新聞名:
- 産経ニュース
- 元URL:
- http://www.sankei.com/west/news/170402/wst1704020029-n1.html
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 被爆の惨禍に耐え、その実態をいまに伝える被爆樹木について、広島市は平成28年度、計5本の樹勢回復措置を行った。13年度以降、措置を施した被爆樹木はこれで計延べ71本。まだ傷口が朽ちたり、土壌が固まったりして、樹勢が弱まっているものも見られ、29年度も二葉の里1号街区公園(東区)など2カ所で、それぞれ1本ずつ措置することにしている
市は現在、爆心地からほぼ2キロ以内で被爆に耐え、生き続ける樹木161本を被爆樹木として登録している。平成8年の登録開始以降、19本が枯れるなどしたという。樹勢回復措置は13年度から実施し、樹勢が弱まっている樹木に対し、根本近くの土壌を掘り起こして空気を入れたり、肥料を入れたりして、毎年数本程度の措置を行ってきた
28年度に措置を施したのは、西区の天満小校庭にあるプラタナス4本と、中区基町の市営住宅南西駐車場にあるクスノキ1本
このうち、樹齢120年と推定される幹周り4・27メートル、高さ約15メートルのクスノキは3月中旬、樹木医の堀口力さん(71)=広島市西区=の指導のもとで措置が行われた
作業員らが根本付近の雑草や散乱ごみを取り除いて土を掘り起こしたうえで、堀口さんが根の状態などを確認し、土壌改良を行った
堀口さんは「危機的状況にある被爆樹木は少なくなったが、まだ早急に救済しなければならない木はある。年々、観察しながら手を加えていきたい」と話した
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