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- ID:
- 34927
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0229
- 見出し:
- 「G空間情報」で変わる林業 上空からの樹木データ把握
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kumamoto/article/227519
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 「G空間情報」と呼ばれる、人工衛星や航空機から得られる人や物などの位置を示す地理空間情報が近年、防災や農林水産施策などで活用されている。県内では、人吉市が先駆的にG空間情報と情報通信技術(ICT)を使った効率的な木材流通のシステム構築事業に取り組んでいる。位置情報が林業とどう結び付くのか。現場の山中で探った
1月下旬、同市上永野町の市有林で産学官連携の「スマート林業プロジェクト」の実証実験を市などが開いた。「この山にはスギが約25万本、うち、直径55センチ以上が約450本あります」。建設コンサルタント担当者がタブレットを手に、独自に開発した木材データ収集アプリで取得した山林の細かい情報を説明した
プロジェクトは、事前に航空機のレーザー計測で山林の地形、木の大きさや位置、本数を算出。これらのデータをG空間情報として整備し、需要が大きい直径55センチ以上の木材の早期特定と伐採や林道の整備状況など地形を踏まえた最適な搬出ルートを確保する内容。「作業の効率化による高収益な林業ビジネスの展開」(同市)が狙いだ
アプリを搭載したタブレットやスマートフォンには、「57」「60」などと木の直径を示した情報と位置が1本ごとに表示され、一目で木の場所を把握できる。コンサル側がアプリで抽出した木と実際に現場にある木の幹回りを比較すると誤差はわずか3センチ。精度の高さに参加者からは驚きの声が上がった。相良村の木材卸売会社「人吉素材流通センター」の黒肥地孝一専務(46)は「山中で注文通りの大きさの木を一から探すのは簡単ではない。正確なデータを活用できれば助かる」と期待を寄せた
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