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- ID:
- 37597
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0215
- 見出し:
- 行方「高須の一本松」 名木の歴史、後世に
- 新聞名:
- 茨城新聞
- 元URL:
- http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14870809570421
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 行方市玉造甲の名木「高須の一本松」の歴史を後世につなぐため、地元が動き出した。3代目が昨秋、松くい虫の被害に遭って伐採。地元住民が「高須の一本松再生検討委員会」を立ち上げ、4代目の植樹に向け準備を進めている。初代の松はかつて、神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮のイチョウと並び、関東二大名木と呼ばれた。初代が松くい虫被害で枯れてから約40年。地元はこれまで跡地で子孫の松を育ててきており、「みんなで守っていきたい」と意気込んでいる
■初代は平安時代「地元でも高須の一本松の名前も形も知らない子どもが多くなった。こんなに歴史ある素晴らしい松があったことを知ってもらいたい」一本松を代々見守り続けてきた近くに住む額賀勝男さん(58)は語る
初代は平安時代の1051年、源義家が陸奥の豪族阿部氏の平定に向かう途中、植樹したとの伝説が残る。徳川光圀や徳川斉昭も領内巡視や水軍訓練の際に立ち寄り、歌を詠んだとされている
根元の周囲は約8メートル、高さは約7メートル。県天然記念物にも指定され、竜が湖岸で水を飲んでいるような樹相と称された
「初代はまさに自然のジャングルジム。横に大きく伸びた木は子どもの遊び場で、いつもにぎわっていた」。額賀さんは約50年前の様子を懐かしげに振り返る。当時は旧玉造町の小学生の遠足コースにもなっていたという
だが、初代は1976年、松くい虫の被害に遭って枯れ、伐採された
■松ぼっくりから子孫初代が被害に遭う直前、昨年亡くなった額賀さんの父・勝力さんは、初代の松ぼっくりを集め、自宅周辺で約100本の松を育てた。この中から2代目、3代目が植えられてきた
3代目が松くい虫の被害に遭ったのは昨年秋。すぐに市や地元住民、造園業者が検討委をつくって対策を検討したものの、10月にやむなく伐採した
検討委は4代目の植樹や今後の管理、3代目跡地の土壌改良などについて、話し合いを続ける
初代の遺伝子を受け継ぐ松は勝力さんの遺志を継ぎ、額賀さんが手入れを続ける。検討委は、この中から初代の樹形に似た松を選び、4代目として植樹する予定だ
検討委の貝塚俊幸委員長(66)は「守る会のような組織をつくって、地元の人みんなで守っていきたい」と強調する。初代の松ぼっくりから松を育てているのは額賀さんのほかにも多いとされ、検討委はこうした人たちの調査と名簿作成なども検討している
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