v10.0
- ID:
- 37511
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0207
- 見出し:
- 被爆クスノキ5年ぶり治療
- 新聞名:
- 長崎新聞
- 元URL:
- http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kennaitopix/2017/02/07090603050311.shtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 爆心地から約800メートルにある長崎市坂本2丁目の山王神社で、5年ぶりとなる被爆クスノキ2本の治療と剪定(せんてい)が終わった。今回は一方の幹の内部で見つかったシロアリの対策を施し、両方で伸びきった枝を伐採するなどした。担当した樹木医はクスノキの負担を減らすため、もっと短い周期で経過観察や剪定をするよう勧めている
境内入り口にそびえる2本のクスノキは推定で樹齢約600年。原爆による猛烈な熱線と爆風で枝葉が吹き飛び、幹は途中から折れ黒焦げになったが、次第に樹勢を盛り返した。神社側は今回、長崎緑地公園管理事業協同組合に依頼。同組合理事で樹木医の久保田健一さん(49)が中心となり、昨年9月1日から12月14日まで実施した
久保田さんによると、神社に向かって右側の木で、シロアリが地下に大きな巣を作り、幹の最上部まで生息していた。内部の空洞へ伸びた「不定根」と呼ばれる部分の先端を食べていたために被害は少なかったが、駆除するために薬剤を設置し、内部の通気を良くした
剪定に関しては、枝が付近の高圧電線に触れるほど伸び、台風で折れる恐れがあったことから、全体のバランスや内部の風通しを考慮し枝を間引いた
久保田さんは「生命力の強さを感じ、尊敬の念を持った」と振り返った。舩本勝之助宮司(75)は「台風が来るたび冷や冷やしていたので、ひと安心。治療の頻度を高める点は予算面の問題を含め検討したい」と話した
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