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- ID:
- 37469
- 年:
- 2017
- 月日:
- 0202
- 見出し:
- 昭和初期の熊本今に ガラス乾板939枚発見2017年02月02日
- 新聞名:
- 熊本日日新聞
- 元URL:
- https://kumanichi.com/news/local/main/20170202003.xhtml
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 熊本の歴史や植物の研究者として知られる上妻博之[こうづままさゆき]氏(1879~1967年)が撮影した、昭和初期を中心とする写真ガラス乾板939枚が県立図書館(熊本市中央区出水)で見つかった。老樹名木を中心に天草や阿蘇の名勝地、漁港や町の景観、民俗芸能なども含まれている
上妻氏は九州学院の博物教師で、熊本記念植物採集会の設立者。21(大正10)年以降、「県史蹟[しせき]名勝天然記念物調査委員」などを務め、県の委嘱を受けて文化財指定のための調査を行い、その一環として撮影。県に提出した調査成果は45年の空襲で焼失した
同館が保管する上妻氏の乾板の全点調査とデジタル化を行った結果、全容が判明。乾板はキャビネ判で、撮影時期が分かる926枚のうち最も古いのは16年9月、最も新しいのは44年1月だった。「熊本市 老樹名木用」など撮影地域や対象、用途を記した紙製の小箱に約10枚ずつ収納。現在の県内の市町村をほぼ網羅し、国・県の文化財に指定されたものが含まれる
熊本市の八丁馬場の写真には、東バイパスで寸断される前の健軍神社の杉並木が写る。南阿蘇村の一心行の大桜は枝折れが目立ち、樹勢が回復したことが分かる。五家荘の仁田尾村(現八代市泉町仁田尾)の村民たちを写した写真などもある
同館の丸山伸治学芸調査課長は「空襲や伐採で失われたものも多く貴重。乾板の多くには被写体の名称や撮影日が朱筆で書き込まれており、資料的価値も高い」と話している
2日から4月10日まで、30点のプリントを同館ギャラリーで展示する
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