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- ID:
- 36893
- 年:
- 2016
- 月日:
- 1119
- 見出し:
- 樹をたずねて⑥~晩秋のイチョウ
- 新聞名:
- nippon.com
- 元URL:
- http://www.nippon.com/ja/views/b05306/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 本人に身近な「絶滅危惧種」イチョウは日本人にとって最もなじみ深い樹木の一つである。都会の公園や並木道に好んで植えられ、神社には御神木としてあがめられている巨木も数多くあり、すっかり日常の風景にとけ込んでいる
イチョウは中生代から新生代第三紀にわたり世界中でかなり勢力を広げたと見られるが、100万年ほど前からは徐々に衰退し、絶滅寸前まで追い込まれたようだ。かろうじて生き残った種の原産地は中国とされ、日本に入ってきたのは平安時代から室町時代まで諸説あるが、約600~700年前に入ってきたという説が有力である
氷河時代をも生き延びたとされるイチョウは、1科1属1種で仲間は他になく、「生きた化石」とも言われる。日本に住んでいると、どこでもイチョウを見ることができるために意外に感じるが、実は世界的には絶滅危惧種に指定されている貴重な樹種でもある。200年ほど前までアジア北東部にしか生育しなかったことは確かだが、現在は世界各地で植栽され、いずれは絶滅危惧種リストから外れる時がやってくると思われる
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