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- ID:
- 36284
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0902
- 見出し:
- 空調エネルギー 薪を利用 冷房も可能 東近江市が導入へ
- 新聞名:
- 毎日新聞
- 元URL:
- http://mainichi.jp/articles/20160902/k00/00e/040/208000c
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 滋賀県東近江市が、自然学習公園「河辺いきものの森」の中心施設「ネイチャーセンター」(同市建部北町)の空調エネルギーとして、薪(まき)を利用する新システムの導入を計画している。1日開会の9月議会に提出した補正予算案に開発研究と実施設計の費用880万円を計上。来年度に着工して2018年冬の完成を目指すという。里山の保全活動に関わる市民団体が間伐材をエネルギーとして手軽に供給することも可能となり、市民参加型の新たなエコ活動に広がる期待も高まる
同市内には里山保全に関わる市民団体が約20団体あるが、活動で出された間伐材の処理が課題になっていた。一方、主に伐採される雑木はコナラやカシ、クヌギなどの広葉樹で燃焼効率が高いとされる。新システムはごみとなる間伐材を燃料として生かす一石二鳥の効果を狙い発案されたもので、軌道に乗れば各市民団体から持ち込まれた薪を買い上げ、資金面でも活動をサポートする「三方良し」も可能になるという
さらに市にとっては財政面での利点もある。間伐材をエネルギーとして利用する場合、粉砕した木片を圧着成形したペレットを燃料にする方法が一般的だが、同市のように森林資源の活用が盛んでなかった地域にとっては、ペレットを成形するための設備投資と伐採後の作業工程が大きな負担になる。今回、同市が模索しているのは、一定基準で切り分けられた木片を乾燥後、直接燃やすもので、燃料になるまでの課程を大幅に軽減。暖房のみならず、熱交換により冷房も可能にする点で全国初めての試みだという
ネイチャーセンターは2001年築で、現在は灯油による空調設備を利用。年間約1500リットル(約10万円)を消費している。新システムにより灯油から薪へ代替し、燃料費削減も見込めるという
担当する同市森と水政策課の丸橋裕一さんは「市内では過去に旧愛東町で廃食油をバイオディーゼル燃料とする運動が高まり資源循環の意識が高まった。薪を使ったエネルギーシステムが完成すれば、里山保全の他、個人で枝切りされた木も燃料として見直される可能性も考えられる。第2の市民環境運動の波にできれば」と話している
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