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- ID:
- 35815
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0705
- 見出し:
- 桜の枝を切ったのは悪い…
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syunzyu/article/256560
- 写真:
- なし
- 記事
- 桜の枝を切ったのは悪い。けれど、正直に罪を認めた勇気は素晴らしい。「ワシントンと桜」の逸話は多くの人におなじみだろう。うそを戒める話だが、今では事実無根の大うそというのが定説である▼ワシントンの伝記本にこのエピソードが登場するのは、版を重ねたずっと後になってから。そう知らされても米国内で根強く信じられていたのだろう。少年時代の住居跡を調べ、桜の木も斧(おの)もなかったことまで実地で証明したという▼初代大統領に就く前、ワシントンは総司令官として英国軍と戦った。独立宣言が公布され、建国するのは1776年7月4日。きのう米国は240歳の誕生日を迎えた▼85歳の時に南北戦争があり、165歳で日本と開戦。中枢同時テロが起きたのは225歳の時だった。歴史の長さならまだまだ若い国なのに、さまざまな内憂外患に侵された病身にも見える▼病室から動けないほど重篤なのか、「米国第一」という内向きな訴えが今、支持を集める。自ら面会謝絶を掲げ、外の世界とのドアを閉ざそうとする。「自由」「平等」の理想をうたった独立宣言から“孤立宣言”へ変容するのだろうか▼「真の友情はゆっくりと成長する植物」とワシントンは例えた。「成長の間には多くの危機にも耐えなければならない」と続けている。今日の国の姿を予見し、憂えるような言葉。ちなみにこちらは創作でなく、真の発言と伝わる
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