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- ID:
-
45447
- 年:
- 2019
- 月日:
- 0717
- 見出し:
- パナソニックなど、植物性材料を用いたビール用リユースカップを開発
環境ビジネスオンライン
- 新聞名:
- -
- 元URL:
- https://www.kankyo-business.jp/news/022771.php
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- 記事
- アサヒビール(東京都墨田区)とパナソニック(大阪府門真市)は7月9日、間伐材などの木材から精製したパルプを主原料とした材料を用いて、環境配慮型のリユースカップを共同開発したと発表した
廃棄する際にも紙製品(可燃物)として分類することができ、プラスチックごみの低減にも貢献する。屋外におけるイベントや店頭での持ち帰り用のビール類の提供を想定し、オリジナルリユースカップ「森のタンブラー」として、8月9日から複数のイベントでテスト展開を開始する。その取組みを通じて、会場内でのリユースや記念に持ち帰ることができるカップとして使用してもらい、プラスチックごみの削減効果を検証する予定
ビール類のきめ細かな泡づくりにも一役このリユースカップは、パナソニックが独自に開発した、植物由来のセルロースファイバーを55%以上の濃度で混ぜ込んだ樹脂「高濃度セルロースファイバー成形材料」を使用した。アサヒビールによると、セルロースファイバー成形材料がビール用カップに使われるのは世界で初めて
リユースカップは、自然由来の木の風合いが楽しめる。高い形状自由度とリユース可能な強度を実現するとともに、画像や文字を自由にデザインすることができるため、各種イベント等においてノベルティ・記念品としての活用も期待される
また、カップ表面にセルロース繊維由来の細かな凹凸を施すことで、ビール類の持続性のあるきめ細かな泡をつくりだす特長がある。さらに、カップ成形時の温度条件によって色目が変化するため、6種類の中から希望の色目を選択できる
事業を通じて持続可能な社会へ貢献パナソニックは、2017年に「パナソニック環境ビジョン2050」を策定した。2050年に向けて、使うエネルギーの削減と、それを超えるエネルギーの創出・活用を目指している
同社は2015年からセルロースファイバー樹脂の開発を始め、2018年8月に発売したコードレススティック掃除機の筐体に同材料を採用した。その後、さらなるプラスチック量の削減に向け、天然由来成分の高濃度化と用途拡大についての開発を進め、この度セルロースファイバーを55%以上含有する白色の高濃度セルロースファイバー成形材料の開発に成功した
この開発に当たっては、環境省の委託業務(平成27年度~平成29年度セルロースナノファイバー製品製造工程におけるCO2排出削減に関する技術開発)で得られた成果を活用している
一方、アサヒグループは、2月に「環境ビジョン2050」を策定した。2050年までに、事業活動における環境負荷ゼロ(ニュートラル)を目指すとともに、グループの独自技術や知見を生かした新たな環境価値創出(プラス)に取り組んでいる
昨今の海洋プラスチック問題や地球温暖化などを受けて、プラスチック量の削減が世界的に求められている。両社は、リユースカップのテスト展開によって、環境に優しい容器の普及活動を進めることで、「事業を通じた持続可能な社会への貢献」を目指していく
今後のテスト展開テスト展開では、8月9日と8月16日、9月(日程未定)に、小湊鉄道(千葉県市原市)が運行するSATOYAMAトロッコ「涼風ビール列車」(オープンビアガーデン)にて、森のタンブラーで「アサヒスーパードライ」の生ビールを提供する。提供した森のタンブラーは、記念に持ち帰ることができる
8月18日には、パナソニックスタジアムで行うガンバ大阪対ジュビロ磐田戦の開催前イベントにおいて、「森のタンブラー」とともに「アサヒスーパードライ」の生ビールを販売する。さらに、10月4日~6日には、つくばセンター広場(茨城県つくば市)にて開催される「つくばクラフトビアフェスト2019」において、オリジナルデザインの「森のタンブラー」が5,000個採用される
ここ数年、環境負荷低減に関する意識の高まりから、テーマパークやコンサート、スポーツ観戦の会場においてリユース可能な容器の普及が進んでいる。イベントを記念したデザインやアーティスト、選手の画像をデザインし、付加価値を高めることで記念品として持ち帰り需要が生まれている
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