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- ID:
- 45034
- 年:
- 2019
- 月日:
- 0606
- 見出し:
- 伊那発の木塀に注目 高い安全性&地域資源活用
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- https://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20190604/CK2019060402000278.html
- 写真:
- なし
- 記事
- 昨年6月に大阪府高槻市でブロック塀が倒れて女子児童が犠牲になった事故を発端に、伊那市が地元産の木材を使って開発を続けてきた「木塀」の試作品が完成した。3日に市役所で発表会があり、白鳥孝市長は「価格はブロックやアルミ製の塀に比べて高くつく。しかし、背景に何があるのかに思いを寄せてほしい」と述べた
木塀は年明けから、市内の木材店などでつくる地域材利活用研究会と市が開発を進め、上伊那木材協同組合が製作した。材料にはヒノキやカラマツ、スギなど上伊那地域産の木材を使用。塀を補強する「控え壁」や基礎などの構造上の強さはもちろん、ブロック塀の五~十分の一ほどの軽さで、万が一倒壊しても被害の軽減につながるという
デザインも工夫した。和洋風のいずれの住宅でも設置しやすいように、縦格子や横格子の模様や複数の色を用意し、購入者の好みに応じて選択できる。木材の表面をバーナーであぶり撥水(はっすい)、防虫加工を施した場合は、二十年ほど手入れの必要がないという
本年度中に発売する予定で、価格は高さ百五十センチ、幅百四十センチの規格で六万九千八百三十八円(製作、工事費込み)から。市は現在、危険なブロック塀の撤去に補助金を出しており、撤去に合わせて木塀を購入する際の補助も検討している
同研究会の都築透会長(66)は「戦後の復興の際に植えられた木々の利用が課題となっている。地元の木材を利用することは地域経済を活性化させる重要な一助にもなる」と期待を寄せた
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