v10.0
- ID:
- 35240
- 年:
- 2016
- 月日:
- 0407
- 見出し:
- 還暦ともなれば、体のあちこちに不調が出てもおかしくない…
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/syunzyu/article/236419
- 写真:
- なし
- 記事
- 還暦ともなれば、体のあちこちに不調が出てもおかしくない。といっても人の話ではなく、桜のこと▼戦後、全国にたくさん植えられたソメイヨシノが60年の“寿命”を迎え、いずれ各地の桜の名所が消えてしまうのでは-と心配する声を聞く。専門家によると、樹齢40年ほどで樹勢はピークに達し、それ以降は日当たりなどの条件で、幹が朽ちたり、枝が枯れたりしやすくなるそうだ▼開花はいつか、満開は、週末の空模様は、花を散らす雨や風はもう少し待って…。3月末から毎日のように話題になった桜の季節も間もなく九州を離れて北へ向かう。〈風さそふ花のゆくへは知らねども惜しむ心は身にとまりけり〉。この時期になると、桜を愛した西行法師の歌を思い出す▼けさは桜並木の歩道いっぱいに花びらのじゅうたんが広がっていた。「花むしろ」という味わい深い呼び名もある。もったいない気がして、できるだけ踏まないように歩いた▼大きな桜の木には5枚の花びらを付けた花が60万も咲くそうだ。その花びらを1枚ずつ敷き詰めると、テニスコート1面分もの広さになる、と気象予報士の益山美保さんに教わった。長い冬を耐え一気にはじける桜の生命力を思う▼桜の寿命は60年と決まっているわけではなく、環境が良ければ、ずっと長生きすることもあるという。枝を折らず、根を踏まず。大切にすれば、来年もまた目を楽しませてくれる
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