v10.0
- ID:
-
43419
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1210
- 見出し:
- 「ガジュマルの樹液に木くずを混ぜて、ガムみたいにして…
- 新聞名:
- 八重山毎日オンライン
- 元URL:
- http://www.y-mainichi.co.jp/news/34616/
- 写真:
- なし
- 記事
- 「ガジュマルの樹液に木くずを混ぜて、ガムみたいにして食べてたんだよ」「どんな味がするんですか? おいしいんですか?」「ただ空腹をしのぐだけだよ」▼浦添市内の拝所に生えていた樹齢百年超というガジュマルが9月の台風24号で倒れた。その撤去作業を手伝っていた石垣市字石垣出身の木工作家、西石垣友里子さん(40)=浦添市内間=に、お年寄りが聞かせてくれた話だ▼西石垣さんの個展がこのほど那覇市牧志のギャラリー「レネミア」で開かれ、このガジュマルも展示された▼県工芸指導所(現・県工芸振興センター)で木工を学び、キャリアを積んできた西石垣さん。今回の個展は「民具」をテーマに据え、サバニのあかくみに使うユートゥイをイメージしたアカギのアートなど自らの世界観を表現した▼こだわりは樹に漂う「物語」。自身で2年使い続けているソウシジュの食器は、パンなど水っ気の少ない食べ物だけでなく、肉料理や炒め物にも使う。手入れを欠かさなければ、長持ちするそうだ。「油を使った料理に使ってもいいですか」と聞かれれば、「おいしい記憶が残りますよ」と返す▼台風で犠牲になったガジュマルはまだ作品にしていない。「木は思い通りにならない」。樹木の気配に耳を澄ませながらアイデアが湧くのを待つ
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