その言葉を裏付けるように、ニッコーは販売代理店から加盟金や権利収入は一切取らない。「私利私欲を策する企業は続かない」というのが塩田の信条だ
目指すはトヨタ超え 全国に広がった販売代理店網の他、近年は大手企業の参画も目立つ。これまでの代理店と競合になりそうなものだが、「そこは問題無い」と塩田は言い切る。何しろ、液体ガラスは港湾や橋、住宅といった大きな建造物から、椅子や机、皿といった家具・食器まであらゆる用途に適用できる。大手が狙う市場と、中小の販売代理店が関係性を築いている企業は異なっており、それでもなお、まだ誰も手を付けていない領域が無尽蔵に広がっているのだ
「液体ガラスを使えば、競争相手のいない自分だけの製品を作れる。誰でも参加できますから、皆が独立して、自分だけのオンリーワン商品を売れます。仮に1社が3製品を手掛けたとしても、1県につき30社くらいはできてしかるべきです。すると、日本全国47都道府県に1500社は立ち上がるでしょう」 また塩田は今後、販売代理店に関しても1都道府県につき約10社、日本全国500社まで広げる構えだ
「各社に10人の従業員がいれば5000人。私たちの商品は一人あたり少なくとも数億円は売れると自負していますので、いつかはトヨタを超せる」 実は液体ガラスは、木材以外にも革、竹、和紙など様々な素材に利用できる可能性が見込まれる。「汚れない革靴などお手の物」と塩田。ただ、木材に対する市場だけでも莫大なものがあるため、手が回らないというのが現状だ
いずれにしても、液体ガラスが夢の広がる技術であるのは間違いない。これまで木材は様々な弱点から使用を敬遠する向きも多かったが、液体ガラスによって長期耐用が可能となれば、観光のような一産業に止まらず、持続可能な循環型社会の構築に貢献することができるだろう
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