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- ID:
- 43060
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1104
- 見出し:
- 紫草譲り受け活用探る
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- https://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20181103-OYTNT50017.html
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- 記事
- ◇県立大出雲キャンパス ◇風土記ゆかり 庭園やシンボル 県立大出雲キャンパス(出雲市西林木町)が、出雲地方にちなんだ薬草を集め、ハーブガーデンを設置する準備を進めている。10月24日には、「出雲国風土記」や「万葉集」にも登場する紫草を、飯南町の地域おこし協力隊から譲り受けた。今春に看護栄養学部を開設した同キャンパスのシンボルとして育て、新たな活用策を探る。(佐藤祐理) 紫草はムラサキ科の多年草で、6~7月頃に白い小さな花を咲かせる。根は「紫根」と呼ばれ、解熱や解毒、やけどなどに効く漢方薬になる。色素の「アセチルシコニン」を含み、古代から染料としても有名で、紫色に染めた衣類は位の高い人などが身に着けた
「万葉集」に収められた歌にも登場する紫草は、約1300年前にまとめられた「出雲国風土記」では、「野見 木見 石次の 三野 並びに、郡家の南西四十里なり。紫草あり」と記載され、現在の飯南町で自生していたことがわかる。現在は絶滅危惧種に指定されており、自生を見つけるのは難しい
森林が約9割を占める飯南町では、森林セラピーによる健康増進に力を入れており、さらに魅力を高めるため、同町の地域おこし協力隊、板木ひろみさん(58)は2017年から紫草の栽培に取り組んでいる
板木さんは、標高が高くて寒暖差があることや、三瓶山一帯にある黒ボク土が栽培に適しているのではないかと考え、実際に黒ボク土を利用。紫根を掘り出しやすくするため、種から発芽した苗は鉢に植え替え、今年は45鉢を育てている
出雲キャンパスでは、看護学科と健康栄養学科の学生が薬理学の講義を受けている。教員は薬草や薬膳の研究を行っていることから譲渡が決まり、板木さんから19鉢が山下一也副学長に手渡された
譲り受けた紫草は、学生や教員が育て、採取された種から新たに栽培した紫草は市内のコミュニティセンターなどに配りたいという
ハーブガーデン設置準備委員会のメンバーで、大学院看護学研究科の石橋照子教授は「漢方薬や染料以外にも、香りを楽しむ方法もある。島根ゆかりの薬草を集め、学生と大切に育てたい」と話す。板木さんは「紫草はどこかわくわくする植物。利用の仕方を一緒に探し、産業として育てられれば」と期
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