v10.0
- ID:
- MTGコーポレートサイト: https://www.mtg.gr.jp/ 43057
- 年:
- 2018
- 月日:
- 1104
- 見出し:
- 中国人の「ドリアン愛」が強すぎて…マレートラが絶滅の危機
- 新聞名:
- Yahoo!ニュース
- 元URL:
- https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181103-00000001-courrier-cn
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 日本ではあまり馴染みのない高級フルーツ、ドリアン。独特で強烈な臭いのイメージが強いが、ねっとりとした食感と強い甘みが妙にクセになる不思議な果物だ。近年、中国ではこのドリアンが人気を博しており、彼らの「ドリアン愛」を満たすために絶滅危惧種のトラの住処が犠牲になっている
中国人の「ドリアン愛」が強すぎて…マレートラが絶滅の危機赤茶色の短い体毛が特徴のマレートラ。現時点で世界中に300頭以下とされる。Photo: 77path / iStock / Getty Images Plusトラの生息地が「ドリアン愛」の犠牲に中国で近年人気急上昇中の果物といえば、ドリアンだ。その爆発的に増え続ける需要を満たすため、絶滅危惧種であるマレートラの生息地が焼き払われ、彼らの生態が脅かされている
中国人のドリアン熱は凄まじく、同国のドリアン輸入額はこの10年間、毎年平均26%のペースで増加し続けてきた。世界一のドリアン輸出国であるタイは、今や総輸出量の75%を中国に輸出している
同じくドリアンの産地マレーシアでは、中国の急激な需要増加に応えるため、ここ数年でドリアンのプランテーションが急増した。なかでもラウブ地方の森林は、「猫山王(むさんきん)」という高級品種の産地で、多くの中国人が「ドリアンツアー」の目的地として訪れる場所だ
しかし、この森林は世界中で300頭以下しかいないとされる絶滅危惧種、マレートラの生息地でもある。マレートラはマレー半島とタイ南端のみでしか姿が確認されておらず、この森林を焼き払うことはマレートラの生存に壊滅的な影響を与えると予測されている
WWF(世界自然保護基金)マレーシアのシティ・アビディンは英紙ガーディアンに、「この土地が失われていくことで森林は分断され、野生動物の活動に影響を及ぼす可能性がある」と語った
同紙によると、この地域ではさらに1213ヘクタールがドリアンプランテーションのために焼き払われる予定だ。マレーシアにとってもドリアンは儲かる商売であり、この商機を逃したくないのだ
なぜ中国でドリアンブーム?人民網日本版によると、中国でこれほどまでにドリアン人気が高まっている理由の一つに、生鮮食品のネット販売の発展がある。ドリアンは流通の過程で温度管理が必須なためロスも多く、末端価格が高くなりがちだった
しかし現在、中国ではネット通販業者が産地から直接ドリアンを仕入れ、自社のコールドチェーンを使用するようになり、産地から直接消費者のもとに送ることが可能になった。その結果、この「フルーツの王様」は一般市民にとって格段に入手しやすくなり、身近な存在になったのだ
もちろん、より新鮮な状態で届いたからといって、足の臭いにも例えられるこのフルーツ独特の臭いが消えることはない。その強烈すぎる臭いのために、シンガポールの大量高速輸送システムでは輸送が禁止されているという
..