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- ID:
- 42454
- 年:
- 2018
- 月日:
- 0825
- 見出し:
- 推定樹齢1200年のミズナラ 支笏湖見詰め続ける
- 新聞名:
- 苫小牧民報
- 元URL:
- https://www.tomamin.co.jp/news/area1/14528/
- 写真:
- 【写真】
- 記事
- 支笏湖を見守るようにそびえる推定樹齢1200年のミズナラ 千歳市奥潭の支笏湖畔に位置するオコタン崎に、推定樹齢1200年のミズナラがある。幹周が6・9メートルにもなる木は、周囲の木々と比較しても独特の存在感を示していた―。1000年以上にわたり支笏湖地域の歴史を見詰めてきた巨木を、支笏湖ビジターセンターのスタッフ、先田次雄さん(66)と今週探訪した
オコタン崎は支笏湖の北側、恵庭岳の南側に位置する。丸駒温泉旅館近くにあるかつて林野庁が整備した林道を2時間ほど歩いた距離にある。途中には2メートル近い丈のチシマザサの群生地を抜けると、太い幹の樹木が点在する地域にたどり着く。先田さんによると幹周4メートル前後のミズナラやエゾマツ、シナノキなどで、樹齢にして400年前後という
支笏湖周辺には樹齢300年を超える巨木は少ないとされてきた。理由は、1739年の樽前山の大噴火による火山灰や火砕流の影響だ。だが同年の噴火による火山灰は西からの風で現在の千歳市街地方面に流され、オコタン崎近辺には降らなかった。火砕流の影響もなく、400年を超えるとみられる樹木が残されている
推定樹齢1200年のミズナラは、幹周4メートル前後の木々と比べても風格が際立つ。高さは約30メートル。人が腕を回しても届かないほどの幹の太さで、高さ3メートルほど部分から幾つも幹が枝分かれしている。地面には波打つように根があふれ出ている
先田さんはかつて、知人の森林管理署OBから「とんでもなく大きな木があった」と聞いていた。そこで機会をみては周辺地域で巨木を探索。2016年秋にようやく発見したのがこのミズナラだ
確実な樹齢は伐採して年輪を数えなくては分からない。そこで先田さんは道内の他のミズナラと比較した。オホーツク管内津別町の「双葉のミズナラ」は幹周6・4メートルで、樹齢は1200年とされている。また同町の「最上のミズナラ」は幹周6メートルで樹齢は同じく1200年。いずれもオホーツク総合振興局の鑑定による。このことから幹周6・9メートルのオコタン崎のミズナラは、樹齢1200年以上であるとの推計が成り立つという
先田さんは「幾つもの偶然や好条件が重なり、(この巨木は)生きてきたのでしょう」と話し、「この木より大きいものがあるかは分からないが、これに準じる巨木はあるはず」と推測している。風による倒木や人が行う伐採を免れ、森が形成される大自然の移り変わりを見詰め続けた巨木。支笏湖に突き出る岬
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